過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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112: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:16:02.25 ID:s8phhYh5O
言葉の裏に秘められた、アイドルへの強い憧れを感じ取った凛は、どう受け取ればよいか迷った。

「自分もアイドルとして輝きたい」と同意する理想主義的な見方、
「夢想家だね」と冷ややかで現実主義的な見方、その両方が頭中に渦巻いているからだ。

以下略



113: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:16:35.25 ID:s8phhYh5O
「おっはようございま〜す! すいませーん総武線がちょっと遅れてて時間ギリギリになっちゃいました〜♪」

およそ申し訳ないとは思っていないであろう口調で、一人の女の子が入って来た。

外側に撥ねた短めの茶髪を揺らして、大股で向かってくるその子は、
以下略



114: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:17:08.90 ID:s8phhYh5O
それにつられ、凛の隣に坐る少女も、
「あ、そう云えば私たち自己紹介がまだでしたね」と、思い出したように手を叩く。

「私、島村卯月です。17歳になったばかり。宜しくお願いします!」

以下略



115: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:17:58.14 ID:s8phhYh5O
不意のあだ名に、卯月はやや驚く。

「えっ? し、しまむー?」

「そ! “しまむ”ら“う”づきだから、しまむー。どお〜?」
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116: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:18:32.03 ID:s8phhYh5O
ぼーっと二人の様子を見ていた凛は、いきなり話を振られてまごついた。

切れ長でやや吊り目がちな双眸と、への字口のまま、思考をショートさせて数秒ほど固まる。

初対面の相手からすれば、凛は近寄り難い雰囲気であろうに、未央はそれを気にする様子が微塵もない。
以下略



117: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:19:02.22 ID:s8phhYh5O
ソファに腰掛けたまま、やや引き気味に口を開いた。

「え、あ……わ、私は……渋谷、凛。……15歳。でもまだアイドルになるって決めたわけじゃ――」

「ええ!? 15歳? 大人びてて綺麗だから歳上かと思ってました!」
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118: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:19:39.18 ID:s8phhYh5O
「それじゃあしぶりんだね! 宜しく!」

未央が右手を差し出してきたので、反射的に立ち上がって、おずおずと握り返す。

そこへ卯月も加わって、三人で手を重ね合った。
以下略



119: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:20:14.59 ID:s8phhYh5O
「……ごめんなさい」

凛が声の主の方を向いて、やや目を伏せると、社長は笑って手を軽く振った。

「いやいや、何も謝ることは無い。こないだも云った通り、無理強いするつもりはないのだから」
以下略



120:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 01:20:27.38 ID:ImCFNfnUO
昨今のぴにゃを竿約にした同人の量産には辟易する


121: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:20:42.80 ID:s8phhYh5O
勿体無いと云う評価は有難いが、それ以上に凛にはこそばゆいことがあった。

「ねえ、卯月。そろそろ気楽に話してくれないかな……学年ひとつ上なんだし、敬語じゃちょっとくすぐったい」

やや照れくさい表情で云うと、卯月は、眼を少しだけ大きくする。
以下略



122: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:21:24.56 ID:s8phhYh5O
「しぶりんは、アイドルに興味ないの?」

「うーん、正直、未知過ぎてよく判らないって云うか、おいそれと決断できる話ではないって云うか……」

未央の問いに、凛は呟くように答えた。
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