過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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179: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:30:05.38 ID:s8phhYh5O

Pが小学校三年生の頃、伝説のアイドル、日高舞が引退した。

彼自身にはその頃のテレビの記憶はほとんど無いが――だいぶ世間を騒がせたことは微かに覚えている。

以下略



180: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:31:01.69 ID:s8phhYh5O

固まったままのPの目の前に、そっと、写真が差し出される。

そこには――

以下略



181: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:31:33.12 ID:s8phhYh5O
その“青木麗を牽引していた者”が、いま目の前にいる、奇妙な態の男……


「……業務の引き継ぎ等があります。一箇月ほど待ってください」

以下略



182: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:33:08.88 ID:s8phhYh5O



・・・・・・・・・・・・

以下略



183: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:33:38.24 ID:s8phhYh5O
歩いても歩いても、いつまでも縮まる気配のない距離が、不思議な感覚だ。

その青と白のコントラストは、作られてから時間が経ったようで、境目が曖昧になりつつあった。

凛は、ふと、自身の変化に気付く。
以下略



184: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:34:05.36 ID:s8phhYh5O
じきに、一筋の白線が描かれているカンバスは、高いビルによって遮られていく。

いつの間にやら、ターミナル駅近くまで来ていたのだ。周りを取り巻く人の密度は、加速度的に高まっている。

ついさっき学校を出たばかりではなかったか? まるで、数分のタイムリープをしたかのよう。
以下略



185: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:34:32.28 ID:s8phhYh5O

あの日のレッスンのあとの行動は早かった。

社長はすぐさま書類を作成し、凛とともに両親の許へ。

以下略



186: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:35:36.61 ID:s8phhYh5O

さておき。

アイドル“候補生”としての一歩を踏み出した凛は、あれから毎日、放課後は体力作りにジムへ通っている。

以下略



187: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:36:21.71 ID:s8phhYh5O
例の日曜日、三人が本格的に所属するとなったとき、社長は

「私は関係各所を飛び回るのに忙しくてねぇ! すまんがしばらくは各自で体力作りをしてくれたまえ!」

と豪快に笑っていた。
以下略



188: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:36:50.70 ID:s8phhYh5O
今日は一体どこを飛び回ってるんだろうね――凛はつらつらと思いながら、中央線に揺られている。

席へ坐った膝上には、復習を兼ねた、中間考査対策の暗記カードと問題集。

この時間の上り列車、快速東京行は空いていて、30分余の“通勤”中、勉強をするには丁度良い。
以下略



189: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:37:21.27 ID:s8phhYh5O
しかし集中していると、刻が経つのはあっという間。

気付けば、電車は新宿を既に発ち、千駄ヶ谷を通過しようかというところだった。

窓の外では、首都高速4号を並走する自動車が列車に追い抜かれ、ゆっくりと後方へ見えなくなっていく。
以下略



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