過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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226: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:06:32.31 ID:s8phhYh5O
「しっかしまー、傍から見てる以上にアイドルってのは体力勝負なんだな」

パイプ椅子に浅く座り、脚を投げ出しつつ窓の向こうを見ているスキンヘッドの鏷が、感心したように呟いた。

部屋の中だと云うのにサングラスを外さない、不思議な男。
以下略



227: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:08:29.33 ID:s8phhYh5O

奇異な男二人をそっちのけに、Pは、凛へ目を奪われていた。

その『沈着―クール―』を体現した美しい少女。

以下略



228: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:09:00.98 ID:s8phhYh5O
しばらく無言でレッスンの様子を眺めていたが、やおら、社長が振り向いた。

「さて、プロデューサーの卵諸君。目の前に、これまたアイドルの卵の三人がいる。
 今日、スタジオまで君たちを同行させたのは、担当する子の方向性を見出して欲しいからだ」

以下略



229: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:09:31.60 ID:s8phhYh5O
プロデューサーの卵三人は、急な催促にきょとんとしながらお互いを見る。

「んまぁ、或る程度のプランは立てておかないと活動できないモンね。あの娘たちのことよく見ておかないと」

「ここで全部ガッチガチに決めるワケじゃねえもんな。確かに、どう売り出していくか、ってのは重要だ」
以下略



230: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:10:19.38 ID:s8phhYh5O


――

「プロデュースの方針、ですか」
以下略



231: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:10:55.91 ID:s8phhYh5O
それじゃ、と銅が一歩前に出る。

「はいじゃあ卯月ちゃんね、アナタはもう即戦力になりそうだから、すぐに営業を始めるわ」

「そ、即戦力……」
以下略



232: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:11:22.92 ID:s8phhYh5O
そうだ、このために、養成所で頑張ってきたのだ。

ずっと、ずっと憧れてきたアイドルの世界への一歩を、ついに踏み出す時がきた。

「ローカル局やケーブル局辺りから売り込んでみる。ドサ回りも多いと思うけど、地道にこなしていきましょ」
以下略



233: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:12:17.60 ID:s8phhYh5O
「ういー、んで未央、オメーは――」

銅に続いた鏷が、一旦言葉を切って、手許の用紙から視線を挙げた。

そのまま未央の全身を眺め、何度も首を縦に振る。
以下略



234: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:12:51.32 ID:s8phhYh5O
云い方は多少――いや、かなり――卑俗だが、明確な展望や売り込み方の方針に、未央も鼻息荒い。

「やー、この未央ちゃんの可愛さが全国に知れ渡るのも、時間の問題と云うヤツですかな!?」

「それはお前次第だろうな。俺ぁ仕事は取ってくるが、その仕事で結果を出すのは俺の役目じゃねえ」
以下略



235: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:13:40.60 ID:s8phhYh5O

「そして凛。君はアイドル活動はまだちょっと先だ。しばらくレッスン漬けになってもらおうと思う」

Pが、プランを記した用紙を凛に渡しながら告げた。

以下略



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