過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
1- 20
232: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:11:22.92 ID:s8phhYh5O
そうだ、このために、養成所で頑張ってきたのだ。

ずっと、ずっと憧れてきたアイドルの世界への一歩を、ついに踏み出す時がきた。

「ローカル局やケーブル局辺りから売り込んでみる。ドサ回りも多いと思うけど、地道にこなしていきましょ」
以下略



233: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:12:17.60 ID:s8phhYh5O
「ういー、んで未央、オメーは――」

銅に続いた鏷が、一旦言葉を切って、手許の用紙から視線を挙げた。

そのまま未央の全身を眺め、何度も首を縦に振る。
以下略



234: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:12:51.32 ID:s8phhYh5O
云い方は多少――いや、かなり――卑俗だが、明確な展望や売り込み方の方針に、未央も鼻息荒い。

「やー、この未央ちゃんの可愛さが全国に知れ渡るのも、時間の問題と云うヤツですかな!?」

「それはお前次第だろうな。俺ぁ仕事は取ってくるが、その仕事で結果を出すのは俺の役目じゃねえ」
以下略



235: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:13:40.60 ID:s8phhYh5O

「そして凛。君はアイドル活動はまだちょっと先だ。しばらくレッスン漬けになってもらおうと思う」

Pが、プランを記した用紙を凛に渡しながら告げた。

以下略



236: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:14:07.77 ID:s8phhYh5O
手許には、達成すべき目標がびっしりと書き込まれていて、自然と武者震いが起こる。

「凛はきっと輝ける。二人で、トップアイドルを目指そうな」

「ふふっ、頼んだよ、プロデューサー。ぼーっとしてたら置いてっちゃうからね?」
以下略



237: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:14:34.80 ID:s8phhYh5O
『鍛える』――言葉としては格好良いが、その実、現時点では使い物にならない、と云うことを意味する。

無論、これまでただの一般人だった自分が、すぐにアイドルとして輝けるなどとは思っていない。

流石に自惚れてはいないつもりだ。
以下略



238: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:15:13.84 ID:s8phhYh5O

ミーティングを終え、日がすっかり暮れた中を、凛たち三人は飯田橋駅まで歩く。

いよいよ本格活動を開始するだけあって、皆、幾分か気負っているようだ。

以下略



239: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:16:07.43 ID:s8phhYh5O


・・・・・・

「凛ちゃん、かなり気合入ってたな」
以下略



240: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:16:35.44 ID:s8phhYh5O
――果たしてそうかな?

鏷の言葉に、社長は少し離れた執務机で、声には出さず、内心そう呟いた。

現時点で凛の本心――猛烈な悔しさに気付いているのは、この一人だけ。
以下略



241: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:17:03.26 ID:s8phhYh5O
「それにしても、随分レッスンばっかりねぇ」

口を閉じて笑う鏷の手許を、銅が覗き込む。

「見た目は既に小綺麗なんだし、グラビアとかモデルとか、そう云う方面からやってもいいんじゃないの?」
以下略



242: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 03:17:40.89 ID:s8phhYh5O
「でも、多分それだと『ちょっとカワイイ娘』の評価のままで、遠くないうちに消えるだけだと思うんだよ」

例えば、昨年一年間に発行された数多の少年誌・青年誌。

それらの巻頭などで取り上げられたアイドルやモデルのうち、記憶に残っている者はどれだけいるだろうか?
以下略



879Res/463.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice