過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
1- 20
291: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:11:01.70 ID:s8phhYh5O
そこへPは、一日かけて取りまとめた始末書を提出しに寄った。

失態を詫びるPに、社長は殊更追及することなく、静かに首肯するのみだった。

それは、Pが問題点を把握し改善の方向性を既に見出していることが、二人の様子から汲み取れたからだ。
以下略



292: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:11:32.09 ID:s8phhYh5O

いつものレッスンスタジオ、その防音扉を、Pは静かに開けて中へ入った。

凛の邪魔をしないよう、レッスン場の隣の部屋から、彼女を様子を見る。

以下略



293: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:12:02.06 ID:s8phhYh5O
凛は、同年代の女の子と比べて、かなり長身の部類に入る。

加えて、整った造形といい、芯のある声質といい、これなら相当にステージ映えするはずだ。

Pは、無理に笑顔を作らせるより、ビジュアルとパフォーマンスを絡めて展開した方がいいと確信に至った。
以下略



294: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:12:46.74 ID:s8phhYh5O
ここまでくれば、あとはどうやってステージデビューさせるかを考えれば良い。

光明は、徐々に徐々に、見えてきている。

ただし、デビューの方策こそが一番の難題でもあった。
以下略



295: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:14:02.03 ID:s8phhYh5O
手っ取り早く凛の要望を叶えるなら、明日にでも出来てしまうだろう。

それほどまでに、箱は都内には数多あるのだ。

だがそこで簡単にステージに立ったところで、持続できるかと云えば……答えはまずNOだ。
以下略



296: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:14:31.80 ID:s8phhYh5O
「とは云ってもなぁ……」

凛の様子を窺いながら、思案に耽る。

地下に対して厳しい見方をしたところで、しかし大嶋の助力を得られない現状では、
以下略



297: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:15:02.19 ID:s8phhYh5O
誰もが無名の状態から始まる。

そう、現在第一線で活躍するアイドル、例えば天海春香や如月千早でさえ。

彼女らだって、最初期は誰にも知られていない有象無象に過ぎなかったのだ。
以下略



298: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:15:31.79 ID:s8phhYh5O
「凛、突然だが、明日は何か用事あるか?」

一度外へ出て自販機のスポーツドリンクを差し入れに買ったのち、Pは再びスタジオ入りして問うた。

今回は防音扉の開閉に気を使う必要はない。
以下略



299: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:16:02.34 ID:s8phhYh5O


――

翌日、学校を終えて出社する凛の荷物を事務所に置き、飯田橋からわずか三駅東へ出た秋葉原に、二人はいた。
以下略



300: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:16:38.07 ID:s8phhYh5O
駅から歩いて10分ほどにあるビルの、地下へ降りる階段。

昼間なのに昇降口はやや薄暗く、胡散臭い雰囲気を漂わせている。

しかしCGプロの事務所だって、怪しさでは負けていない。
以下略



301: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 04:17:12.46 ID:s8phhYh5O
胡散臭い入口をくぐり、胡散臭い扉を開け、胡散臭い受付で二人分のチケット代を支払って、中を窺う。

湿度の非常に高い熱気が、Pと凛を包んだ。

観客の入りはせいぜい数十人といったところだろうか。
以下略



879Res/463.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice