過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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648: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:31:31.57 ID:3+pD+bLQo
「なんじゃあこりゃあ!!」

Pの怒りの叫び声が、社屋全体にこだました。

――パパラッチ。
以下略



649: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:32:02.53 ID:3+pD+bLQo
「……社長室案件ですね。俺、行ってきます」

机を叩く勢いで立ち上がったPに、ちひろが告げる。

「Pさん、たぶん行っても無駄だと……思います」
以下略



650: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:32:32.09 ID:3+pD+bLQo

「……そうか。ついにこの時がきたかね」

社長が自らの机で記事を読み、紙をデスクに放り投げてから、ふぅ、と溜息を一つ吐いて云った。

以下略



651: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:33:01.67 ID:3+pD+bLQo
社長が一口呷って、眉の尻を下げた。

「……ちひろ君は判っているようだね」

「……はい。この記事には、どこにも『CGプロ』または『渋谷凛』と書かれていません」
以下略



652: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:33:31.08 ID:3+pD+bLQo
一言もCGプロや渋谷凛とは書かれていないのに、疑問詞ばかりなのに、我々が拳を振り上げたらどうなるか。

内容の虚実に関係なく、“当該記事は我々に関する件です”と自ら認めることに等しい。

相手方から「別に渋谷凛のことだと名指しはしてませんよ?」と云われたら、ダメージを受けるのはこちらだけ。
以下略



653: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:34:02.27 ID:3+pD+bLQo
残酷な判断だった。

芸能人となった凛はともかく、その友人たちはあくまで一般人なのに。

「どうしようもないのだよ。下手にこちらが行動してしまうと、動けば動くだけ不利になる」
以下略



654: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:34:31.98 ID:3+pD+bLQo

十数分が経ち、ようやくPがクールダウンしてから。

凛にも、発売後にいきなり知らせるよりは、事前に報告しておいた方がよいとの判断で連絡がいった。

以下略



655: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:35:02.19 ID:3+pD+bLQo
凛の疑問詞に、Pは真意を測りかねた。目線で続きを促す。

「……私だって、普通の人間だよ? ついこないだまで、ごく普通の女子高生だったんだよ?」

――数箇月前までの私が同じ状況になっても、きっと誰もレンズで狙ったりはしない。誰も騒ぎ立てはしない。
以下略



656: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:35:36.82 ID:3+pD+bLQo
Pは、やや思案して口をゆっくり開く。

「生物として、種として人間は全て同じかも知れないが、同質ではないんだな」

難解な言葉遊びのような、または誰もが当たり前と思っているような。
以下略



657: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:36:03.11 ID:3+pD+bLQo
一般人を炭とするならば、凛はダイヤモンド。

そのダイヤの原石を磨き上げ、世に送り出すのがPやトレーナー陣の役目なわけだ。

「だが……俺は、これは必ずしも正確な喩えではないと思ってる」
以下略



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