過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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660: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:37:50.48 ID:3+pD+bLQo
「あーと、ここまで云っておいてナンだが、勘違いはしないようにな」

Pは手を軽く振って、凛に念を押した。

自分のことを、普遍的かつ不変の価値を持つ選ばれた民だ、と思ってはいけない。
以下略



661: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:38:19.96 ID:3+pD+bLQo
例えば――通常、水は安くダイヤは高い。水は低価値でダイヤは高価値だ。

だが、それが砂漠では、安いはずの水が高価値に、高いはずのダイヤは何の役にも立たない低価値な代物となる。

環境や条件が変われば、人や物の持つ価値なんてのは容易に揺れるのである。
以下略



662: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:38:54.70 ID:3+pD+bLQo

二日後。

きりきりと胃が痛むPに面倒なこと――しかし当然の事象――が降り掛かる。

以下略



663: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:39:23.72 ID:3+pD+bLQo
「この度はご迷惑、ご心配をお掛けしまして申し訳ございません」

入室一番、Pが担当教諭に頭を下げた。

「ちょっと困るんですよねぇ。CGプロさん、でしたっけ?
以下略



664: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:39:58.00 ID:3+pD+bLQo
「確かに我が校はねぇ、自主・自立が校訓ですよ。でもそれは生徒を信頼してこそ成り立つものです」

そして週刊誌の表紙をパンパンと叩いて続ける。

「――信頼する生徒にこのような犯罪紛いのことをされては、前提が崩れるんですよ」
以下略



665: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:40:30.46 ID:3+pD+bLQo
それら不満は、Pが全て身代わりにならなければならない。

「一点だけ弁護させてください。この写真は落とした携帯を拾った際のもので、
 決してやましいシーンではなく、彼女たちに何も落ち度は――」

以下略



666: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:41:00.07 ID:3+pD+bLQo
「だいたいねぇ、こんな年端も行かない高校生を、アイドルとか云う性奴隷に従事させるとは何たる了簡ですか。
 いい大人が恥を知りなさい!」

教諭の言葉はどんどんヒートアップし、一部に聞き捨てならない単語が出てきた。

以下略



667: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:41:32.72 ID:3+pD+bLQo
「お待ちください。アイドルは決して性奴隷ではございません。それはここにいる渋谷凛さんをはじめ、
 幾多関わる物たちを最大級に侮蔑する発言です。その言葉だけはご撤回頂かないと、承服致しかねます」

「たとえ性奴隷でなくとも欲望に塗れたくだらない産業であることに変わりないでしょう!」

以下略



668: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:42:13.26 ID:3+pD+bLQo
Pは再度教諭へ向き直って、顎を引いた。

「しかしこちらの渋谷凛さんは既に芸能人であり、いづれこうなるだろうことは予見されて然るべきでした。
 見通しの甘さは、ひとえに我々CGプロダクションの責です」

以下略



669: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:42:44.35 ID:3+pD+bLQo
Pは凛をかばうように立ち、懐から写真を複数枚取り出して教諭に渡した。

「先生はくだらないと仰りますが、彼女は多くの人々を笑顔にしてきました」

サマーフェスでの、凛のステージとその観客を写したものだった。
以下略



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