793: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:08:06.10 ID:3+pD+bLQo
「あれ……」
いきなり目の前で大人アイドル二人が酒盛り中だった。
温泉の露天風呂で、燗酒を傾ける――これは模範的な、駄目な大人の姿だ。
794: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:08:34.41 ID:3+pD+bLQo
凛は邪魔しないよう、少し離れたところで湯浴みを味わう。
穏やかで、静かで、悪くない湯だった。
空を眺めると、満月が輝いていて、視界の端には色づく樹々も入る。
795: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:09:02.03 ID:3+pD+bLQo
「たぶん、プロデューサーはこれを狙って旅行を組んでくれたんだよね」
ぽつり、空を見ながら、たまにはいいよね、と独り言つ。
こうやって先回りして何かを用意してくれるのが嬉しい。
796: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:09:30.93 ID:3+pD+bLQo
「あ、空になっちゃいましたね。お酒がなくなるのは避けられない……ふふふ」
隣から不穏な台詞が聞こえてきた。
ここで冒頭の、楓の要求である。
797: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:09:58.54 ID:3+pD+bLQo
対して、瑞樹はあっさりと、あっけらかんと返す。
「大丈夫よ。楓ちゃん、こう見えて締めるところはきちんと締めるもの。
明日に影響が出るくらいまでは飲まないわ」
798: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:10:36.36 ID:3+pD+bLQo
凛は、水面―みなも―に映り込んで揺れる月を見ながら、胸にすとんと何かが落ちる感覚を憶えた。
「……そっか。私、ようやく判った」
フェスのとき、凛は、仲間のため卯月のためを思ってやったと思っていた。
799: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:11:04.86 ID:3+pD+bLQo
独りで走っているつもりだったが、それは誤りだった。
きっと、皆がいるから輝けるのだ。
仲間がいるから、走れるのだ。
800: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:11:31.61 ID:3+pD+bLQo
「あ、凛ちゃん!」
ガチャリと音を立てて、内湯から露天に続く扉が開いた。
顔を出したのは卯月と未央。
801: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 22:12:01.99 ID:3+pD+bLQo
「ねえ、未央、卯月」
凛が不敵に笑んだ。
「明日、ぶちかますよ。私たちならできるから。きっと……絶対ね」
802:名無しNIPPER[sage !蒼_res]
2015/08/10(月) 22:13:58.99 ID:3+pD+bLQo
すいません
たぶんもうあと少しで終わりなんですが時間がアレなのでアイプロやってきます
23時過ぎに戻ります
879Res/463.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。