過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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90: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:03:17.47 ID:s8phhYh5O
「確かに、アンタの云う通り……でも、アイドルなんてこれまでの生活とガラリと違う場所、本当に行けるの?」

そう、いま立っている分岐路は、全く未知の世界へ続いているのだ。

見たことのない土地を、地図も持たずに歩いているようなもの。
以下略



91: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:03:50.95 ID:s8phhYh5O
凛が小首を傾げたので、補足の言葉を続ける。

「その日、他のアイドル候補生の子たちが来るらしいから、会ってみてはどうだろうか。
 やる・やらないの結論を出すのは、それからでも遅くはないと思う」

以下略



92: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:04:22.65 ID:s8phhYh5O



・・・・・・・・・・・・

以下略



93: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:04:55.96 ID:s8phhYh5O
「ここの三階みたいだけど……なんか胡散臭そうな場所だね……」

再度名刺の住所を確認するが、目の前の古ビルで間違っていない。

――これ、本当に大丈夫なのかな……
以下略



94: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:05:27.33 ID:s8phhYh5O
「ん?」

凛が声のした方を向くと、そこには緩くウェーブの掛かった長い髪の女の子が、柔和な笑みを湛えて立っていた。

ベージュのブレザーに赤茶色のチェックスカートは、彼女の制服だろうか。
以下略



95: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:05:57.40 ID:s8phhYh5O
対して、その少女は、我方を振り返った凛を見て、口を半開きにさせ放心気味で呟いた。

「うわぁ……綺っ麗〜……」

期せずして発したであろう、その言葉が凛の耳に入り、少し眉をひそめた。
以下略



96: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:06:30.56 ID:s8phhYh5O
これには凛も面喰らった。

「あ、いや、ちょっと照れただけ。怒ってるわけじゃないから気にしないで。私、よく勘違いされるんだ」

バツの悪い顔で両手を振り、そう弁解すると、ようやく少女は頭の上下動を止めた。
以下略



97: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:06:59.07 ID:s8phhYh5O
――あのPとかいう人の云っていた『私以外のアイドル候補生の子』なんだね、きっと。

これは、怖い女と云うファーストインプレッションを与えてしまったかも知れない。

凛は、心の中でだけ苦い顔をした。
以下略



98: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:07:31.02 ID:s8phhYh5O
「あ、あのー……何か……?」

黙り込んだ凛へ、少女は不安そうに、窺うような面持ちで尋ねてきた。

「ううん、何でもない。私もCGプロに用事があるから、ひとまず行こ? ここで突っ立ってても仕方ないし」
以下略



99: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:08:03.17 ID:s8phhYh5O

三階まで無言のまま昇ると、“CGプロダクション”と掲げられたドアが目に入る。

長年の汚れだろうか、そのアルミ扉はみすぼらしく、
嵌め込まれた磨りガラスは端が少し割れ、クラフトテープで補修されていた。
以下略



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