過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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93: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:04:55.96 ID:s8phhYh5O
「ここの三階みたいだけど……なんか胡散臭そうな場所だね……」

再度名刺の住所を確認するが、目の前の古ビルで間違っていない。

――これ、本当に大丈夫なのかな……
以下略



94: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:05:27.33 ID:s8phhYh5O
「ん?」

凛が声のした方を向くと、そこには緩くウェーブの掛かった長い髪の女の子が、柔和な笑みを湛えて立っていた。

ベージュのブレザーに赤茶色のチェックスカートは、彼女の制服だろうか。
以下略



95: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:05:57.40 ID:s8phhYh5O
対して、その少女は、我方を振り返った凛を見て、口を半開きにさせ放心気味で呟いた。

「うわぁ……綺っ麗〜……」

期せずして発したであろう、その言葉が凛の耳に入り、少し眉をひそめた。
以下略



96: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:06:30.56 ID:s8phhYh5O
これには凛も面喰らった。

「あ、いや、ちょっと照れただけ。怒ってるわけじゃないから気にしないで。私、よく勘違いされるんだ」

バツの悪い顔で両手を振り、そう弁解すると、ようやく少女は頭の上下動を止めた。
以下略



97: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:06:59.07 ID:s8phhYh5O
――あのPとかいう人の云っていた『私以外のアイドル候補生の子』なんだね、きっと。

これは、怖い女と云うファーストインプレッションを与えてしまったかも知れない。

凛は、心の中でだけ苦い顔をした。
以下略



98: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:07:31.02 ID:s8phhYh5O
「あ、あのー……何か……?」

黙り込んだ凛へ、少女は不安そうに、窺うような面持ちで尋ねてきた。

「ううん、何でもない。私もCGプロに用事があるから、ひとまず行こ? ここで突っ立ってても仕方ないし」
以下略



99: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:08:03.17 ID:s8phhYh5O

三階まで無言のまま昇ると、“CGプロダクション”と掲げられたドアが目に入る。

長年の汚れだろうか、そのアルミ扉はみすぼらしく、
嵌め込まれた磨りガラスは端が少し割れ、クラフトテープで補修されていた。
以下略



100: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:08:31.60 ID:s8phhYh5O
少女は、困ったように苦笑いをした。

「だ、大丈夫と……思いますけど…………たぶん」

あまり自信なさそうに答えるので、凛は不安を増した。
以下略



101: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:09:05.55 ID:s8phhYh5O
なまじ、真っ黒いオジサンや、正体のよく判らないPを完全には信用していない凛にとって、
この見るからにまともではなさそうな空気は、尻込みをさせるに充分だった。

さて、どうしたものか。

以下略



102: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 01:11:01.62 ID:s8phhYh5O


――

「おぉ、良く来てくれたね」
以下略



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