過去ログ - 仮面ライダー×艦これ オンドゥルこれくしょん 夏休みスペシャル 
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88: ◆li7/Wegg1c[saga]
2015/08/11(火) 01:34:10.60 ID:T6gRRquU0





「もともと我々は深海棲艦を、制海権を掌握するための生物兵器として開発していた。メズールという怪物の細胞を使ってな・・・。だが、コントロールに失敗し、一部が暴走してしまったのだ」

全員、呆然としていた。誰かを守るための、私達の戦い。それがただの尻拭いだっって言うの・・・?

「そこで君たち艦娘を、天王寺の残したトライアルのデータを元に開発したわけだ。人間をベースに製造したため記憶操作も容易だった。さらに『在りし日の記憶』などとニセの記憶を植え付けたのが大正解。そんな曖昧なモノに動かされて、君たちは見事私たちのテストに合格してくれた!生物兵器として、君たちは高値で売れるだろう!」

「まさか、作戦が筒抜けだったのも、提督が行方不明になったのも・・・!?」

「私が在りし日の記憶に悩まされていたのも・・・?」

長門と赤城が動揺しながら言葉を紡いだ。その手は怒りで震えていた。

艦娘達の中でも、彼女の怒りはとりわけ深かった。如月や祥鳳の犠牲は、今まで倒れていった仲間達の犠牲は、そんなつまらないもののためだったというのか・・・!?

「ご名答! ちょっとしたイタズラさ! このゲームを楽しむためのスパイスってとこさ! ついでに言えば、足柄くんの合コンや大井と北上の逢瀬もちょっとした茶番だよ!君達の思考を少しいじってな・・・!」

「こんのぉ・・・!」

足柄は拳を握り、恥辱に震えだした。

「そして吹雪! キミはよくやってくれた! 最高の兵器、いや私の最高の伴侶としてふさわしい女に育ってくれたよ!」

下劣な笑い声をあげ、タナカは言い放った。その心ない言葉に、吹雪の誇りはズタズタに傷つけられてしまった。

「さて・・・、次はどんな任務を与えようかな? 長門、君には都市攻撃を任せようかな?」

「おのれ・・・、提督・・・。貴様ぁっ・・・!!」

長門がその目に涙と怒りを備え、タナカに殴りかかった。足柄も下劣な男に蹴りを入れようと動き出した。

だが彼が手にあるスイッチを押した直後だった。

「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!!」

悲鳴をあげ、二人は突然頭を抱えて倒れこんでしまった。 そして、それは彼女達だけではなかった。

「いやぁぁぁぁ!! 那珂ちゃん解体されたくないよぉぉぉ!!!」

「北上さぁぁん!」

同時に他の殆どの艦娘達も悲鳴をあげて頭を抱え、その場に倒れこんでしまった。大鳳も、霧島達も、ほとんどの艦娘が気絶してしまった。

「テ、提督・・・」

金剛も愛した男に手を伸ばしながら、気絶した。タナカは、その手を冷たく踏み躙った。





睦月は、震えながら自らの事情について、そして艦娘のこと、これまでの戦いのことについて、なんとか説明した。

「それで、気がついたら東京にたどり着い・・・。でも、どこに行けばいいのかわからなくなって・・・」

「そうだったのか・・・」と、上城睦月。

「お願いします! 吹雪ちゃん達を・・・、一緒に助けてください!」

ココアを飲み干すと、睦月はいきなり頭を下げて頼んだ。 彼らが何者なのか、睦月には分からない。だが、同じ名前を持つ者同士、なぜか信じられるような気がしていた。

「えっ、ちょ、ちょっと落ち着いて睦月ちゃん! そんなこと言ったって私達そんな戦う力なんか・・・!」望美が動揺しながら言う。

その時だった。突然、金属の擦り合う音が睦月達の耳に聞こえた。

「え・・・?」

望美も、上城睦月も、言葉を失いその音の方向にあるモノを見た。嘗ての睦月にとって悪夢そのものだった、レンゲルのベルトが何時の間にか来ていたのだ。まるで、睦月に対して『戦え』と言うかのように。

ベルトを見ているうち、睦月の頭の中に忌まわしきあの声が聞こえてきた。

『戦え・・・戦え・・・!』

あの蜘蛛の声だ。カテゴリーA、スパイダーアンデッドだった。

だが、様子が以前とは異なる。なぜか、邪悪な意志は自分の心を操ろうとはしなかった。



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