過去ログ - 鷹富士茄子「私を見つけてくれたから」
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28:名無しNIPPER[saga]
2015/08/16(日) 05:10:12.58 ID:6kfpk/gV0

俺はしばらくぼうっと、その女性を見つめていました。
女性も俺を見つめていましたが、こちらはとても心配そうに、固唾を飲んで見守っているという風でした。

じっと視線を動かさず、視線が合うとも合わないとも言えない微妙な塩梅で互いをじっと見続けました。
そしてようやく考える力が戻って来た頃合いで、ふと、この綺麗な人は誰なのだろう、と思いました。
この神社の人なのか。お正月の神社で見る巫女さんという人なのだろうか。それとももっと別の。
一人考えたところで女性の正体なんてわかるはずもなく。
ならばとりあえず本人に聞いてみるのが一番だろうと思い、俺は軽い気持ちでその人に口を聞きました。


「あの……お姉ちゃん、誰?」


幼心に美人への恥じらいが混じって、少し不躾な聞き方をしてしまいました。
すると、数拍の間女性の表情が鳩が豆鉄砲でも喰らったような顔になった後、怯えにも似た動揺の色を見開いた瞳に浮かべました。
自分の口調で怒らせてしまったのか? と思いましたが、動揺のし方が何か尋常では無く、視線を俺から逸らして、うわ言のように
「嘘、どうして」というような言葉を呟いていました。


「えっと……大丈夫、ですか?」


俺は立ち上がって、動揺する女性に抜き足で近づきながら話しかけました。
すると女性は「きゃっ」と小さく叫んで、先程の俺のように飛びのいて尻餅をついてしまいました。




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