過去ログ - 鷹富士茄子「私を見つけてくれたから」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/09/08(火) 00:05:26.33 ID:CDWU1HmG0
しかし、それから数カ月経った夏。朝目覚めて、百姓連中が外に出て田圃の様子を見ると目を疑った。
つい昨日まで順調に育っていた作物が一斉に枯れていたんじゃ。
どの家も、どの田圃も全滅という有様じゃ。
そして蓄えていた食糧もいつの間にか腐ってもはや食べられなくなり、貯めてあった水も井戸も腐り、河も不自然に干上がった。
漁師達は死に、作物も無くなった。元々動物なんかも少なかった島じゃ、狩りも出来ない。
流通をしていた者達も島の噂を聞いてこのところ全く来ていない。
島民達は飢えた。飢饉という恐ろしいものがその島を襲った。
夏の熱の中で、水も飲めず食べ物も口に出来ない状態で三日と経たずに死人が出た。
島民達は巫女様の所へ行き、どうしてこんな事が起きているのかと尋ねた。
巫女様は黙っておった。あの子供のせいじゃないのかと誰かが尋ねた。
それでも巫女様は黙っておった。
業を煮やした島民達は巫女様の制止も振り切って、あの子供を奪って、殺してしまった。
腕や脚、指の一本に至るまで折り、火をつけて殺すという随分惨たらしい殺し方をしたそうじゃ。
巫女様は大層お悲しみになったそうじゃが、それからあっという間に、それまで起きていた
不幸な事が無くなって、飢饉も何とか凌げるようになったそうじゃ。
数年の間、これまで通りの日々が続いた。
今まで通りに、島民達は幸せに暮らしておった。
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