過去ログ - 鷹富士茄子「私を見つけてくれたから」
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80:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:06:40.17 ID:CDWU1HmG0

じゃが、ある日。山の中で全身が焼けただれたように真っ黒になった死体が見つかったんじゃ。
その死んだ人間は、巫女様から子供を奪った人間じゃった。
それからすぐに山の中で同じような死体が次々に見つかった。
あの子供の骨を折り、火をつけた人間達じゃった。

島民達は恐れ慄いた。巫女様にこれはあの子供の祟りなのかと尋ねた。
巫女様は頷いた。あの子はもう悪霊か、性質の悪い神様のようなものになってしまっているとおっしゃった。
災厄を振りまかないようにこの数年はおし留めていたが、もう自分の力でも恐らく止める事は出来ないだろう。
そしてこれからもあの子はこの島に怨念を振らせ続けるだろう、ともおっしゃった。

島民達は絶望した。またあのような飢饉や、それを超えるような事が起きるのかと。
しかし、巫女様は一つだけ方法があるとおっしゃった。
まずあの子を祀る社を建てろと、御霊として祀るのだとおっしゃった。
島民達はすぐに総出で社の建築にかかった。その間にも、何人かの島民が不自然な死を遂げた。

死人が出る中、社が完成した。島民達は歓喜したが、巫女様はどうにも暗い顔をしていらした。
島民達はこれで祟りは治まるのかと尋ねた。巫女様は横に首を振った。
それでもまだ足りない。霊力の強いものを人柱、要は生贄として共に納め、留めなくてはならないとおっしゃった。
島民達は顔を見合わせた。そんな霊力の強い者はこの島に巫女様をおいて誰もいない。
島民達はそれから、何も言えず、ただじっと巫女様を見つめていた。

明るかったはずの巫女様は暗い顔をしておった。つまり、そういう事じゃった。
自分が柱にならなければ、どうやってもあの子を止める事は出来ない。



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