過去ログ - 鷹富士茄子「私を見つけてくれたから」
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82:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:08:53.96 ID:CDWU1HmG0


「それから、もう百五十年。今でも、一応祭りの伝統は残っておったが、もう言われた年数から五十年も過ぎておった。
 ワシが若い時分までは見たという話があったが、その程度じゃった。お前のお母さんが肝試しに行っても別に祟られなかった。
 そしてもう最近は見たという話もとんと聞かない。ワシらももう気にする事はないだろうと、油断しておったが……」


祖母は長い話を話し終わり、長い長い溜息をつきました。


「どうやら、巫女様の算段は外れておったようじゃのう。あれはまだ残っておった。
 そして最後の力を振り絞って、霊感の強いお前に憑りつこうとでもしたか……」

「じゃあ、あの黒いのが……」

「やっぱり見たんだね」

「うん……あの神社に初めて行った時に多分、見た」


そして、目をつけられた。


「何でそんなものを見たのに、ずっとあの神社に行ってたのよ!」


母が叫ぶ。


「いや、だって……お姉ちゃんがいれば、全然平気だったし……お姉ちゃんと、遊びたかったから」

「だから、そのお姉ちゃんってのは……」

「そのお姉ちゃんは、巫女様の事じゃろうて」


祖母の話を聞いている間に、薄々気付いてはいましたがやはりそうだったのかと。
あの人は祖母の言う巫女様だったんでしょう。
死んでいるのに死んでいるとも感じさせない程、活き活きとした人だったのもそういう力があったからなのかなと、
その時はぼんやりと思いを巡らせていました。



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