過去ログ - 鷹富士茄子「私を見つけてくれたから」
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72:名無しNIPPER[saga]
2015/09/07(月) 23:58:59.47 ID:AmCpX1Yw0

あの祭りの日。母と祖母が家に帰ると俺がいなかった。慌てて家の近くを探すも何処にもいない。
他の家の人に俺がいなくなったと言って無理に探すのを手伝って貰い、海やら田圃の方やらを探すも全く見つからず。
陽も落ちかけてきた頃、祖母がもしかしたら俺は山の奥にある社の所に行ってしまったのではないかと言い出した。
捜索隊の人達は全員騒然となるも、その日は絶対にその社へは行ってはいけないという決まりになっているから
以下略



73:名無しNIPPER[saga]
2015/09/07(月) 23:59:58.96 ID:AmCpX1Yw0

が、その時、俺は茫然としていました。だってその話は俺からしたらおかしいんです。
だって突然消えたのは皆の方なのに、俺がいなくなったという事になっているのはおかしいじゃないですか。

そんな風に不思議に思っていると、どすどすと大勢の足音が近づいてきました。
以下略



74:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:00:38.40 ID:CDWU1HmG0


「ねぇ、父さん。明後日来るんじゃなかったの?」


以下略



75:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:01:41.34 ID:CDWU1HmG0

父達に女性の特徴を説明しようとした時、気付きました。
あの女性の顔立ち。それが思い出せない。名前も何かで聞いたような気がするのに、全く思い出せない。
名前を言おうとする。でも口に出す事が出来ない。
喉の奥まで出かかっているのに、あと一歩のところで圧し留められる。
以下略



76:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:02:30.82 ID:CDWU1HmG0

「お前、あの神社に行っていたのかい?」

「え? あっ……そ、そうだけど……」

以下略



77:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:03:37.69 ID:CDWU1HmG0


「馬鹿馬鹿しい……」

「馬鹿馬鹿しくあるものか。現にこんな事になったんじゃから」
以下略



78:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:04:30.57 ID:CDWU1HmG0

昔、この島は大層栄えていた。この島にある神社を代々管理する家系のおかげじゃ。
他の島民達には霊感等という力は全く無かったが、その方達はとても強い霊力を持っていてな。
その人達の神様へのお祈りのおかげで、これまで本州で飢饉や疫病が流行った時でも、
島民達は平穏無事に暮らす事が出来た。島民達はそれはそれは神主さん達の事を敬った。
以下略



79:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:05:26.33 ID:CDWU1HmG0

しかし、それから数カ月経った夏。朝目覚めて、百姓連中が外に出て田圃の様子を見ると目を疑った。
つい昨日まで順調に育っていた作物が一斉に枯れていたんじゃ。
どの家も、どの田圃も全滅という有様じゃ。
そして蓄えていた食糧もいつの間にか腐ってもはや食べられなくなり、貯めてあった水も井戸も腐り、河も不自然に干上がった。
以下略



80:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:06:40.17 ID:CDWU1HmG0

じゃが、ある日。山の中で全身が焼けただれたように真っ黒になった死体が見つかったんじゃ。
その死んだ人間は、巫女様から子供を奪った人間じゃった。
それからすぐに山の中で同じような死体が次々に見つかった。
あの子供の骨を折り、火をつけた人間達じゃった。
以下略



81:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:08:00.15 ID:CDWU1HmG0

巫女様はこうもおっしゃった。自分はとても幸運に産まれた。そこに、とても不運な子供が産まれた。
あの子は調和を取る為にと神様が遣わせたに違いない。自分にしか止められないのだろうと。
そうして、巫女様が眠る為の社も早急に建てられた。

以下略



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