過去ログ - 響「今ここにいる奇跡に」
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27:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2015/08/16(日) 23:06:50.59 ID:GQNoXVLk0

黄昏時、停車したバスのドアを開ける瑞鶴と翔鶴。
瑞鶴が運転手に送ってくれた礼を述べる。そのすぐ後ろに座っている加賀と目が合う。ふいと顔を逸らされる。
瑞鶴の握り拳が小刻みに震える。

「何してるの? 早く行きましょう、瑞鶴」

「……ふぁい」

姉に促され、口惜しそうに下車する瑞鶴。バスが排煙を残して走り去った。

海と小山が織り成す長閑な風景。そこに一際目立つ長大な建物。艦娘が利用している寄宿舎の一つ。
守衛に証明書を見せ、二人が建物の中に。
手荷物を預けて手洗いを済ませたのち、真っ直ぐ食堂へと向かう。

広間にずらりと並ぶ丸テーブル、学生服姿の少女たち、各々夕食中、談笑中。

「あら、二人とも。おかえりなさい」

入口のほど近い二人掛けの席についていた黒髪の少女が、ナプキンで口元を行儀よく拭い取る。

「おかえりなさい、予定より早かったね」

その対面、銀髪の少女が瑞鶴と翔鶴のほうを振り返り、手にしていたナイフとフォークを皿に置いた。
帰宅したばかりの翔鶴と瑞鶴を見比べ、小首を傾げた。


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