29:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2015/08/16(日) 23:22:35.72 ID:GQNoXVLk0
「あなたは加賀さんを意識しすぎ。もっと視野を広く持たなきゃ駄目よ。今後は戦いの規模だって大きくなっていくんだし」
「うーん、今日は調子悪くなかったんだけどなー。体だってしっかり動いてたし」
「彼女たちと比べたら、わたしだって至らない点が多いわ。また次頑張ればいいじゃない」
「あなたたち二人がまだまだって、もしかして今日の相手は」暁が疑問を差し挟む。
「お察しの通り、一航戦よ」
「なるほど、無傷じゃ済まないわけだ」
合点がいったというふうにうなずく響。艦娘たちの中でも頭一つ抜けた面子が揃う部隊、一航戦。
多くの新造艦が建造されるまでの間、領海を守り通した歴戦の兵たちで構成される。
一航戦と五航戦の張り合い。もとい瑞鶴と加賀の張り合い。その認知度、艦娘たちの中で知らぬ者はほとんどいない。
反面、赤城と翔鶴は割に折り合いがよく、談笑している姿を見かけることも多い。
「相変わらず仲悪いんだ? 顔を合わせる機会がそんなに多いわけでもないのにね?」
心底不思議そうな顔で食後の紅茶を啜る暁。
「向こうからいちいち張り合ってくるのよ。しかも言うに事欠いて提督の前で『五航戦の子たちと一緒にしないで』とか!
冗談じゃない、こっちだってアンタなんかと一緒にされるのは願い下げよ!」
「あははは、今の口真似結構似てたかも」
暁、笑ったあとで口元を手で覆うのを忘れていたのに気づく。こんなことじゃいけないとばかりに首を振る。
幼さの残る容姿とは裏腹に一人前の淑女を目指す暁、その涙ぐましい努力。
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