8:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2015/08/11(火) 22:28:41.27 ID:wqQE0kJT0
「あの、それを申しましたら、深海棲艦とて姿形は必ずしも大きくありません。
どころか、中には等身大の女性に似ている者さえいると聞いております。
にもかかわらず、我々が敗北を喫しましたのは――」
「口を慎め、馬鹿者が」
「……は?」
「敗北ではなく戦略的撤退だ。帝国は未だ彼奴らに膝を屈したわけではない。門外漢の貴様に戦術の何がわかる」
「し、失礼いたしました」
差し出された灰皿に短くなった葉巻が押し付けられる。残り火をすり潰すのもそこそこに中指で弾き出される。
「……ふん、それで?」
「それで、と申しますと」
「話の続きだ。貴様は実際に、その光景を見たのか? あー、つまり」
そこで男が言葉を濁し、どこか居住まい悪そうに顎をしゃくった。
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