過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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135:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/08/30(日) 23:20:48.52 ID:G+niSgN10
「ライダーバトルにかかわってるのは、間違いないけどな。ライダーなのか、それとも……」

「それとも?」

「もっと上位の存在か、だ」

「どういうこと?」

「一ライダーなら、俺達にこのカードを渡したりしないだろ。……これは俺の単なる推測だが
な、俺は、雪ノ下陽乃が、ライダーバトルを始めた者だと考えている」

「ライダーバトルを、始めた……」

「あくまで予想だ。それに、考えてどうにかなることでもない」

「それは、そうだけど……」

「とにかくだ、俺達がやるべきことは変わんねぇよ」

「そう、だね。……ゆきのんは、しってるのかな」

「知らないだろうし、知らせる必要もないだろ」

「知らないままで、いいのかな……」

「知らないことは、悪いことじゃない。知ってることが増えるだけで、面倒事も一気に増える」

「……そっか。ねぇ、ヒッキー」

「なんだ?」

「ゆきのんが困ってたら、助けてあげてね?」

真剣なまなざしで彼女は俺を見つめる。

「いや、それはないだろ」

彼女が助けを求めることも、俺が自ら踏みこむことも。

「それでも、きっとヒッキーは助けるよ」

「何の根拠があってそんなことを」

「だって、あたしのことも助けてくれたじゃん」

「あれはただの偶然だ。救える命があるなら、誰だって手を伸ばすだろ」

「自分が危険な目に会ってまでは、なかなかできないよ。だからきっと、ヒッキーはゆきのん
を助けるよ」

「俺にそういうの、期待すんな」

失望させるくらいなら、希望を持たせない。それもきっと、相手を思う一つの形のはずだ。

「事故がなくても、ライダーバトルがなくても、ヒッキーはきっとあたしを助けてくれたよ」

「いや、そんなの助けようがないだろ」

人生にもしもはない。

たらればに価値がないのは、カードゲームの世界だけじゃない。

「ううん、そんなことないよ。だってヒッキー言ったじゃん、事故がなくても一人だったって。

あたしもこんな性格だからさ、いつか限界が来て、奉仕部に行ったと思うの。そしてね、三人

で友達になるの」

少しうるんだ彼女の瞳は、とても美しくて、俺は言葉を失った。

「それで、あたしはきっと……」

その時、由比ヶ浜の携帯が鳴った。

「そして……」

「電話、いいのか?」

「あっ、うん。……もしもし、ママ?あっ、うん、もう着いたよ。すぐ、帰るね」

電話を切って、彼女は俺に別れのあいさつを告げる。

「それじゃ、またね。送ってくれてありがと」



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