過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
1- 20
195:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/09/29(火) 12:53:11.98 ID:AuVSUEXb0
適当に何枚か取れば終わりだと思っていたのだが、なかなかそうもいかない。

いざ撮影を始めると、「あの、やめてください……」とか普通に言われるからだ。

そのたびに俺は文実の腕章を見せる羽目になった。結構傷ついたぜ……。

そして、何枚目かの写真を撮り終わった時、突如背中に衝撃を受けた。

「うぉっ!」

「おにいちゃん!」

「ぉぉ、なんだ小町か」

抱きついて甘えてくる様子は非常に可愛い。同じ千葉に住む兄として妹相手に町中でプロポー

ズとかしはじめるレベル。

「一人で来たのか?」

「うん、だって、お兄ちゃんに会いに来ただけだから……。あ、今の小町的にポイント高い!」

「それさえ言わなければなぁ……」

「マジレスすると、受験前のこの時期に友達誘うのは気が引けちゃってね」

「女の子がネット用語を使うな」

ペシリと頭をはたく。

「あれ、そういうお兄ちゃんも一人?」

「ばっかお前、俺が一人じゃない時の方が珍しいだろうが」

「結衣さんや雪乃さんは?」

「あいつらは仕事だろ」

「おにいちゃんは何で教室にいないの?居場所がないの?」

「俺の友達は愛と勇気だけなんだよ」

「わー、すごーい」

何その棒読み。傷つくからやめてくれる?

「で、何してんの?」

「仕事だよ」

「なん、だと……?」

「んだよ、文句あんのかよ」

「仕事、お兄ちゃんが、仕事……」

小町は感慨深げにつぶやく。

「バイトも大概長続きしないでやめて、ばっくれてそのまま黙ってやめちゃうお兄ちゃんが、

仕事……」

お兄ちゃんに対する認識ひどすぎない?何一つ反論できないのが悲しいことではあるが。

「小町、嬉しいよ……。でも、お兄ちゃんが遠くに行っちゃったみたいでさびしいな」

なんでこの子は妹なのに親目線なの?

すっごい恥ずかしいからやめてくれ。

「ま、仕事っていっても下っ端の使いっ走りみたいなもんだ。社会の歯車の一つ、って奴だな」

「ああ、なら納得だ」

そこで納得しちゃうのかよ……。

言った俺も自分で納得しちゃったけどさ……。

そのまま俺達は二人で廊下をだらだらと歩く。

と、小町が感心したような声を出す。

「はぁー、やっぱり高校は違うね―」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
635Res/1285.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice