過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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258:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/09/29(火) 13:34:54.70 ID:AuVSUEXb0
「心の傷……?えっと、何が?」

「何がって……あなたは三浦さんに」

「優美子?優美子がどうかしたの?」

「……」

なるほど、そういうことか。

「なぁ由比ヶ浜、こんな物に見覚えはあるか?」

ポケットの中から龍騎のカードデッキを取り出して由比ヶ浜に見せる。

「何それ?龍の、顔……?ううん、知らないよ」

「っ!」

雪ノ下の表情が驚嘆に変わる。

やはり、ライダーバトルに関する記憶を失っている。

ただそれは、彼女にとってはいいことなのだろう。

「そうか、ならいいんだ。悪かったな、変なこと聞いて」

「ううん、ヒッキーが変なのはいつものことだから!」

彼女は無邪気に笑う。

陽乃の物とは対極の、どこまでも貴い笑顔だ。

「うっせ―、一言余計なんだよ」

「あ、もう暗くなってきたね。そろそろ帰らないとね。今日は三人で帰ろうよ!」

「……ごめんなさい、今日はどうしても行かなければならないところがあるの」

「行かなきゃいけない所?それって、どうしても今日なのか?」

正直、雪ノ下のこの言葉は意外だった。

「それってどこ?もしよかったら、あたしも一緒に行きたいな」

「……三浦さんに会いにね。どうしても、一人で行かなければならないの。……彼女の家、ど

こにあるか教えてくれないかしら」

……雪ノ下……。

由比ヶ浜は雪ノ下の表情をじっと見つける。それが真剣そのものだということを認めると、

「うん、わかった。じゃぁ、また今度ね。えっと、優美子の家はね……」

「ありがとう、由比ヶ浜さん。それでは、また」

雪ノ下は毅然として歩き出す。

「おい!待てよ!」

俺は走って、少し先に歩き出していた雪ノ下に追い付いた。

「比企谷君……何か用かしら?」

「何か用、じゃねぇだろ。俺も行く」

「……そう。由比ヶ浜さんには、悪いことをしてしまったわね」

「そうだな、だから埋め合わせとして、明日一緒に出かけることにした」

「驚いた……あなたって気を遣えるのね」

「今更だな……言っとくけど、三人で、だからな?」

「ふふ……なら、何としてでも生きて戻らなくてはね。彼女との約束だけは、破りたくないか

ら」

「そうか」

「ええ、そうよ」

「俺は……やっぱりライダーバトルなんて止めたい、だけど、自分の想いを曲げてでも守りた

い物があるから、その為に戦うよ」



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