過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
1- 20
267:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/09/29(火) 13:39:25.52 ID:AuVSUEXb0
そしてそれを、苦に思わない。


もしも英雄と呼ぶべき人間がいるというのなら、こういう人のことを言うのではないだろうか。

「……なるほど、葉山がなれない訳だ」

「何か言った?」

雪ノ下が首をかしげる。

「いや、何でもない」

「すいません、ありがとうございました。俺達で何とかしてみます」

「ごめんね、力に慣れなくて……何か必要なことがあったら何でも言ってね。俺も自分なりに、

色々やってみるよ」

そう言って火野先生は部室を後にした。

「……いい人ね」

「ああ、間違いない」

「ほぇ―……」

「ん?どうした、由比ヶ浜」

「いや、二人が誰かをそんなに褒めるなんて珍しいなーと思って」

「まぁ、あそこまでいったらな……貶す要素も見つからん」

「あなたの腐った目をしても短所を見つけられないなんて……流石火野先生ね」

「何で一回俺をディスったの?絶対必要なかっただろ……」

あの人は、ああ見えて聡明だ。

ああ見えて、という言い方は失礼かもしれないが、どんなことにも考えなしに突っ込んでいく

馬鹿とは違う。

きちんとリスクを承知して、自分が何をできるのかを理解して、その上で動いている。

自分に損しかなくても行動してしまうあたりは、短所と言えないこともないが、それこそがあ

の人の最大の美徳だろう。

「火野先生に迷惑をかけない為にも、何とかしないとねっ!」

「ん……そうだな」

再び俺達だけで話し始めて数十分後、教室の中からでも聞こえるほど大きい廊下を走る音が聞

こえたかと思うと勢いよく扉が開かれた。

「ひゃうっ……」

由比ヶ浜が小さな叫び声をあげる。

そして、そこにいたのは、今までにないほど真剣な顔をした火野先生だった。

いつもの柔和な笑顔はない。

「ど、どうしたんですか?」

「ゆ、雪ノ下さんっ!」

その両手を雪ノ下の肩に乗せる。

「は、はい」

「今すぐ来て、俺の車に乗ってくれ」

「な、何かあったんでしょうか?」

少し困惑した様子で雪ノ下は言う。

顔をうつむけて、火野先生は言った。

「君のご両親の家で火災が発生した……二人とも……焼死したみたいだ……それだけじゃない、
雪ノ下家に関する、あらゆる親戚縁者も死んだそうだ……君と、君のお姉さんを除いて……」

「……そうですか」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
635Res/1285.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice