過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)
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くすっち天頂@公認ぼっち党員
◆A9VvCAXQOewN
[saga]
2015/08/23(日) 22:00:39.76 ID:lyWeeGpg0
出来上がった雪ノ下のクッキーはとてもうまかった。
「もうこれを渡せばいいんじゃねぇの?」
「それじゃ意味ないじゃない。さ、由比ヶ浜さん、やってみて」
「うん!」
そして、二回目の彼女の挑戦が始まった。
「そうじゃないわ、もっと円を描くように……」
「違う、違うのよ、それじゃ生地が死んじゃう」
「由比ヶ浜さん、いいから。そういうのはいいから。レシピ以外の物を入れるのは今度にしま
しょう」
「うん、だからね、それは……」
あの雪ノ下が困惑し、疲弊していた。額に汗が浮かんでいる。
何とかオーブンに入れた時には、肩で息をしていた。
「なんか違う……」
焼きあがったクッキーを見て由比ヶ浜が言う。食べてみると、雪ノ下が作ったものとは明らか
にレベルが違う。
「どうすれば伝わるのかしら……」
雪ノ下は持つ者ゆえに、持たざる者の気持ちがわからない。優秀な人間は教えるのもうまいと
いうのはただのまやかしだ。あやかしだ。あやかしがたりだ。みんな買ってね!
「フッ!」
「あら、何かしら比企谷君。喧嘩を売っているの?」
「いやいや、お前らのやってることがあまりにもバカらしくてなぁ。思わず笑っちまったんだ。
わりい」
「なんかムカつく!」
「まぁ見てろよ。俺が本物ってやつを教えてやる」
「そこまで言うからには、たいそうなものができるんでしょうね。楽しみだわ」
雪ノ下が完全に冷たい目をしていた。
「ああ、十分後にここにきてくれ。格の違いを教えてやるよ」
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