過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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74:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/08/23(日) 23:19:22.55 ID:lyWeeGpg0
一際大きい声のする方を見ると、そこには葉山たちの集団があった。

「うわ、隼人君すげー」

「やっぱ違うなー」

その集団は、葉山を目印にしてどんどん数を増していく。

その数はあっという間に二桁となった。

優に六分の一が葉山王国の国民だ。

そして体育の授業は彼の王国に支配された。

彼らは一様に騒いでいるが、それ以外は反比例するように静かになる。

葉山グループにあらずンば人にあらず。

だが、歴史が語るように、そんなものは長続きしない。

英雄になる、などという男が王ではなおのことだ。

ふと、葉山と目があった。

その目が凍てつくような冷たさを一瞬持ったのを、俺は見逃さなかった。

昼休み。いつものように、マイベストスポットで一人飯を食う。

購買で買った大してうまくもないパンをもぐもぐと咀嚼する。

視界の隅に移るテニスコートから聞こえる打っては返すラケットとボールの当たる音が眠気を

誘う。

レモンティーをすすっていると、ふと風向きが変わった。

天候にもよるが、海の近くにあるこの学校では、昼を境に風の方向が変わる。

この風を一身に受けながら過ごす時間が俺は嫌いじゃない。

「あれー?ヒッキーじゃん」

風に乗って聞きなれた声が聞こえる。

「なんでこんなとこにいんの?」

「普段ここで飯食ってんだよ」

「なんで?普通に教室で食べればよくない?」

……察せよ。

「つーかお前こそなんでこんなとこいんだよ」

「そうそう、それそれ。ゆきのんとの罰ゲームに負けちゃったんだー」

「罰ゲーム……俺と話すことがかよ」

「ち、違う違う!負けた人がジュースを買ってくるの!」

「そうか、よかった。危うく契約のカード破り捨ててドラグレッダーに食われるとこだったわ」

「ちょっ、でもそうなったらあたしがヒッキーを守ってあげる!」

「そりゃどうも」

俺がそつない返事を返すと、由比ヶ浜が微笑を浮かべる。

と、そこに、とたとたと誰かの走る音が聞こえてきた。

「おーい、由比ヶ浜さーん!」

「あ、さいちゃーん!」

「さいちゃん、練習?」

テニスウェアを着たその少女に由比ヶ浜が問う。

見りゃわかんだろ……。

「うん。うちの部弱いから、いっぱい練習しないと……。お昼も使わせてくださいって申請し

て、最近オッケーが出たんだ」



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