過去ログ - いろは「先輩と、アフタークリスマス」
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11:名無しNIPPER
2015/08/16(日) 17:47:05.89 ID:HDGh0YhN0
全部終わって帰り道。俺、一色、小町、大志の四人で帰路に着いたところだった。

校舎の玄関を出たところで小町が大げさに叫んだ。

小町「あー、いっけなーい。お醤油切らしてるんだったー。急いでスーパー言って買ってこなくちゃー」

なんかやたら棒読みっぽいが、気にしてはいけない。

八幡「そうか、なら俺も……」

小町「いーのいーの、お兄ちゃんはわざわざ手伝ってくれたわけだし、ゆっくり帰ってきて。大志君、行こう!」

大志「うっす」

八幡「ちょ、まっ……」

駆け出した小町と大志を止めることもできず、二人は去っていた。

…………なんかあったらお兄ちゃん、許さないんだからね!

八幡「……なんだよ、嵐かよ。日本遺伝学会大会延期しちゃうのかよ」

俺のつぶやきが虚空へと消えると同時に一色が横から顔を覗かせる。

いろは「先輩、この後二人で二次会しませんか?」

八幡「しません」

いろは「即答とか……いろは的に…………いやもう世間的にポイント低いですよ」

八幡「世間とか知らん。俺はそんなものに流されず生きたいように生きる。お、これ八幡的にポイント高い」

いろは「はあ……ポイント高くない…………いや、なんていうか……もういいです」

八幡「おお、そうかじゃあおつかれー」

いろは「ちょっと、キャラに合わないことまでして逃げようとしないでください」

八幡「なんなの、お前なんなの?俺は帰って小町とクリスマスケーキ食べて小町の作ったローストチキン食べて小町のところにしか来ないサンタクロースを待たなきゃいけないんだけど」

いろは「うっわ、あまりにも小町ちゃん中心生活……いいじゃないですかー。っていうよりクリスマスイブにこんなにかわいい女の子に誘われてるんですよ?もっとはしゃいでくださいよー」

八幡「いやっほぅぅぅぅ!いろはすにクリスマスイブ誘われたぜー!じゃあ、そういうことで、帰るから」

いろは「文章のつながりがおかしい!」

八幡「なんだよ……要望通りアイデンティティ崩壊させてまで言う通りにしたのに……っていうか、なら葉山誘えよ。もうすぐあいつ卒業だぞ」

いろは「わたしは先輩といたいんですー」

八幡「はいはい、あざといあざとい。結局あれだろ?クリスマス誰かといたよー。一人じゃなかったよーっていうポーズ取りたいだけなんだろ」

いろは「……」

え、何?この間。なんか間違えたかな。「間」だけに。山田くーん、俺の座布団全部持ってってー。

必死におちゃらけて、沈黙の空間から感じ取られる何かをできるだけ見ないふりをしていた。

いろは「違い、ますよ。わたしは先輩がいいんです。先輩じゃないといやなんです」

唐突に向けられるやや潤んだ目。そこにはからかいや冗談といった色は一切なく、ただただ真っ直ぐに俺を見ていた。

こんな目を向けられてしまって何も言えなくなる。下手な言葉ではだめだ。ダメだが、この先を言わせるのもダメな気がする。

なら何を言えばいい?そんなもの…………わからない。


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