6:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:44:23.24 ID:j2JVJq8j0
「汗かいてますね。もうちょっと経ったら、身体拭きましょう。食欲はありますか?」
「全くあらへん。粉モノみたくないとかありえへん心境なんやけど」
「何がありえないのかいまいちよく分からないですが。……これ食後か。お粥はどうです?」
「むり。あついものは、むり……」
7:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:44:55.09 ID:j2JVJq8j0
「志保の手、ちべたいなぁ……」
「奈緒さんの額が熱すぎるんです。……いいですか、いなくなりませんから、ちょっとここで待っててください。準備、まとめて終わらせるんで」
そう言って、志保は立ち上がって視界から消えた。
8:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:45:27.91 ID:j2JVJq8j0
そんなんを何度か繰り返していると、志保が戻ってきた。
色々なもんを抱えとる。
まず、洗い桶に張られてた水でタオルを絞ってくれた。
9:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:46:00.12 ID:j2JVJq8j0
「あとこれ。舐めてください」
志保が氷をつまんで、私の口元へ持ってくる。
10:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:46:49.25 ID:j2JVJq8j0
しばらく、氷を舐めては入れられてを繰り返していると、ふと、思う事があった。
「なんや、ひな鳥みたいやな」
「みたいじゃなくてまさにそれですから。……本当は、一緒にダンスレッスンだったはずなんですからね。反省してください」
「……なんや、志保だけいけばいいやん」
11:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:47:23.22 ID:j2JVJq8j0
「……ちょっと、黙らないでくださいよ。冗談ですよ、冗談」
慌てた様子で取り繕っとる。
別にそういう反応をさせたかったわけじゃないから、逆にへこむわ。
12:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:47:51.50 ID:j2JVJq8j0
「……なー、志保、なんか手が熱いわ」
「そうですか。氷袋、もう一つ作ってきますね」
立ち上がろうとした志保の手を取る。
13:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:48:21.65 ID:j2JVJq8j0
「なんやこれ……あぁ、桃缶かぁ……」
「えぇ、シンクの所にあって。これなら食べられるんじゃないです?」
「そうかもなぁ……」
14:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:48:56.34 ID:j2JVJq8j0
「はい、食べられますか」
「無理そうやから、さっきみたいに、あーん」
「……食べられますよね?」
15:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:49:32.87 ID:j2JVJq8j0
「なんや、私は弟くんと同レベルかい」
「以下ですよ。こんなに大きいのに手が掛かりすぎです」
とんでもない言いがかりや、と呟いた後に再び口をぱくぱくさせる。
16:名無しNIPPER[saga]
2015/08/20(木) 20:50:04.06 ID:j2JVJq8j0
「……しほぉ。なんか眠くなってきたわ」
「本当、子どもみたいですね。……いいですよ、寝ちゃってください」
「さよか? ほな、一緒におってな……」
「はいはい、わかりましたから」
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