過去ログ - 卯月「プロデューサーさんの、本当の幸せを」
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12: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:44:02.37 ID:20TbIrfu0
櫻井
『会食とはいえあくまでもビジネスの延長。その席で君のカフリンクスはいささか華やか過ぎはしないか』

 そう牽制したお父様に、Pちゃまはニコッと笑って仰いましたわ。

P
『確かにこのパパラチアサファイアのカフリンクスは、私などには似合いません。ですがそもそもこれは私のためのものではなく、桃華さんのためのものなんです』

 そう言って立ち上がり、わたくしの手を引いたPちゃまを見て、お父様は二の句を告げなくなってしまったんですの。夕焼けにも似たパパラチアサファイアのきらめきが、わたくしの金髪をより魅力的に惹き立てていたと悔しがっておいででしたわ。

 けれど諦めの悪いお父様ですから、今度はPちゃま自身に言いがかりを始めたんですのよね。

櫻井
『パパラチアサファイアはスリランカでしか取れない希少な宝石だ。失礼だが君の年齢でおいそれと手が出せるようなものではないし、それをカフリンクスに使うとなると特注しかあるまい。

 これは本来聞くべきことではないが、娘を預けることになるかもしれない相手のことは知っておかねばならん。君はそのカフリンクスをどうやって手に入れたのだね?』

 そしたらPちゃま、悪びれもせずにこれはイミテーションですって言うんですもの。あのときのわたくしはドキドキが止まりませんでしたわ。

P
『櫻井さんの言うとおり、パパラチアサファイアは希少な宝石です。ですがこれはピンクサファイアに表面拡散処理をしたもので、いわばイミテーション。私の稼ぎでも手が届くものです』

櫻井
『……君は、私の娘をまがい物で虚飾しようというのかね? 娘のためのカフリンクスと言うならば、別の宝石でもよかったはずだ。なぜわざわざ高価なパパラチアサファイアにこだわる』

P
『確かに桃華さんなら他の石でも充分に映えるでしょう。けれどパパラチアサファイアは、4月8日の誕生石。桃華さんのプロデューサーである以上、どうしてもこの石でなければならなかったのです。

 それにこれは私なり決意の証でもあるのです。いずれ桃華さんが押しも押されぬトップアイドルになった時に、このカフリンクスの台座に本物のパパラチアサファイアを嵌めようと考えています。

 そこまで辿り着くには長い道のりになるでしょう。けれど私は、桃華さんを支えながらその道を歩んで行きたいのです』

 お父様を見ていたPちゃまは知らないでしょうけど、このときのわたくし、顔がほてって仕方なかったんですのよ、Pちゃま。



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