過去ログ - 卯月「プロデューサーさんの、本当の幸せを」
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20: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:50:52.03 ID:20TbIrfu0

「お疲れ様」

未央
「おつかれー」

卯月
「お疲れさまでした」

未央
「いやー、今日の収録もばっちりだったね!」


「そうだね。最近は特に評判がいいって、スタッフさんたちも言ってた」

卯月
「この調子で頑張っていきましょう! あ、そうだ! この前美味しいケーキ屋さんをかな子ちゃんに教えてもらったんだけど、これからどうです?」

未央
「あー……今日はちょっと予定が。ごめんっ」


「私も。ごめんね、卯月。家で用事があるんだ」

卯月
「う、ううん! いいよ、また時間があるときに行けばいいだけだから」

 ――近頃、どうしてでしょうか。凛ちゃんと未央ちゃんが、なんだか遠いような気がします。

 前より二人はずっと綺麗になりました。歌もダンスもぐんぐん伸びてて、とても輝いて見えます。

 だからでしょうか。私は疎外感を覚えていました。二人がなんだか、よそよそしくなったような気がしているんです。

 二人を見送った後、私はまっすぐ寮に帰ります。自主レッスンや学校の宿題を一通り終えて、それでももやもやが晴れないときは、プロデューサーさんに電話をかけます。

「あ、プロデューサーさん。こんばんは。えへへ、また電話しちゃいましたっ」

 携帯電話を片手にベッドに寝転んで、他愛のない話をします。凛ちゃんと未央ちゃんのことは、話せませんでした。

「もう、コンビニ弁当は止めたっていってたのに、今度はスーパーのお惣菜ですか? だめですよ、コンビニよりはいいかもしれないですけど、やっぱり栄養に偏りがあるんですから。なんだったら、その……私が作っちゃいましょうか? えっ、いいんですか? 卯月、頑張りますっ!

 あ……あの、ところでプロデューサーさん。すこし聞きたいことがあるんですけど……その……あの……えっと、や、辞めない……ですよね? お仕事……プロデューサーさんが、プロデューサーさんじゃなくなったり、しません……よね? ……えへへ、そうですよね! 信じてましたっ!」

 とりとめのないことをしゃべり続けて、気付けばもう二時間が経っていました。

「あっ、もうこんな時間ですね。すみません、そろそろ切りますね。はい、お休みなさい。……それじゃ……はい……」

 いつから、でしょうか。こんなふうに、プロデューサーさんと電話をしているフリを始めたのは。



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