3: ◆.s5ziYqd8k[saga]
2015/08/27(木) 21:57:49.21 ID:hxdoE4+A0
いつもの仕事、いつもの食事。終わる時間もいつもと同じ。
夕暮れになれば街も落ち着いて、昼の喧騒は徐々に消えていく。
俺も、多くの中の一人と同じだ。
「おかえり。君、夜ご飯食べた? もしよかったらご一緒どーかなぁ」
淡い光が魔女の家から漏れ、逆光の裏から誘う声がした。
「あは、そんな目で見ないでよ。それとも欲情しちゃったぁ?」
……ふざけているのには間違いないが、じぃんと濡れた目からするに、誘っているのも間違いない。
「ねぇ、来てよ。今日は誰もいないから……ここも、君だけの物にしていいよ……?」
窓から突き出た黒い髪。毛先が豊かな胸の先端を隠しているのが憎らしい。
他には一糸たりとも纏わず、真っ白な肌を惜しげもなく晒している。
指でなぞった場所は窓枠より下で見えなかったけれど、濡れた指先を見れば察するに余りあるというものだ。
「あはぁ……ねぇ、来てくれないかなぁ。君の好きなビーストミートサンドもあるんだから」
ねえ、と懇願するような、あるいはこちらを嘲笑うような。
そんな色をした幼馴染を振り切ってみたはいいものの。
……ビーストミートサンドは、俺の稼ぎからするに勿体なかったかもしれない。
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