103: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:06:25.16 ID:axiebuOio
「各艦、対空戦闘用意! 前方の敵編隊を割って血路を開く! 無理やりにでも通って生き残れ!」
矢矧が命令を下した。
104: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:07:03.96 ID:axiebuOio
「識別帯は白二本! 瑞鶴さんの――」
『ええっ! うちの子達、そこにいるの!?』
105: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:07:41.81 ID:axiebuOio
『あなたたちのおかげで、こちらの攻撃隊は丸裸同然です。矢矧隊が敵機の大半を引き連れていってくれたからいいようなものの……』
言っている事の割には、声は安堵に満ちたそれだ。
106: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:08:10.09 ID:axiebuOio
いつもの陽気な声が、さらにだめ押しの芝居を打つ。
もはや、誰が聞いてもあからさまなものではあるけれど、こんな気持ちのいい芝居もない。
107: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:08:43.72 ID:axiebuOio
それからの戦闘は、あえて語るほどのこともない一方的なものだった。
島への航空攻撃を察知した敵は、攻撃隊を護衛する戦闘機の大半を反転させていた。
108: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:09:28.92 ID:axiebuOio
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
翔鶴、瑞鶴の機動部隊と合流した矢矧たちは、一路北に向けて航行していた。
109: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:10:08.79 ID:axiebuOio
ワシワシと頭をかきむしる。
その姿を見る限り、手入れが余計に念入りというのは怪しい気もするが。
110: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:10:44.66 ID:axiebuOio
「飛行場姫が出てくるまではね」
そういいながら瑞鶴がスルスルと近付いてきて、絆創膏の入った箱を霞に手渡す。
111: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:11:39.93 ID:axiebuOio
敵攻撃隊の漸減であれば、艦攻や艦爆といった攻撃機戦力は不要という加賀の意見を取り入れ、榛名は一航戦所属の戦闘機隊と、五航戦所属攻撃機の入れ替えを指示していた。
矢矧たちと五航戦が敵航空戦力を誘致するのであれば、護衛戦闘機は二航戦が保持する数で足りると言う判断だ。
112: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:12:20.76 ID:axiebuOio
尾ひれどころか、背びれに胸びれまで付いてくる瑞鶴の話から要点を抜き出すと、そういうことだろうと矢矧は結論づける。
「全部わかってて、あの悲壮感漂わせる台詞……とんでもない役者よ、榛名は」
113: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:12:58.29 ID:axiebuOio
真実はどちらでも構わない。矢矧はそう思う。
とにかく、そのおかげで自分たちは救われたのだから。
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