過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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138:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/24(土) 00:45:54.61 ID:L+14OgXBO

ひんやりとした空気が、俺の顔を撫でた。


壁を白一色に統一した、聖堂のようなホール。そこに正装した年配の男女20人ほどが、円環状に椅子を並べ、輪の内側を向いて座っている。

輪の中心には、入ってきたばかりの俺とデニスの方を向き、一人の白人の老女が座って瞑目していた。


はるかな高さの丸天井と、高窓から差し込む陽光が、カトリック教会の典礼を思わせる荘厳さを目の前の光景に与えていた。

ただ、救いを求めて訪れた者を落胆させるかのように、十字架はもちろん、聖像やステンドグラスといった宗教色を表に出すものはいっさい置かれていない。
その点、こんなひと気のない場所で行うコンサートや集会といった用途への汎用性が高いと言えば、そうとも言えるだろう。


中央にいる老女は黒のスーツに身を包み、白髪に軽くウエーブをかけて肩に垂らしていた。
風貌だけなら、普通に品の良い高齢女性という以外の印象はない。


一方、円環状に並んでいる人々は瞑目しているわけではなく、皆一様に伏し目がちの目を下に向けているのだった。だから実際は周囲をほとんど見ていないに等しい。


デニスがホールの隅から一脚のパイプ椅子を持ってきた。
そしてそれを、参会者の輪から3メートルほど後方の、中心の老女ともろに視線がぶつかり合う真正面に置いて座った。

出席者の様子からして、何やら秘密めかした儀式のようなことが行われるらしい。
そして輪の中心にいる女性が、この日の最重要人物であるのは疑いようもない。



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