33:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/07(月) 00:36:22.17 ID:rVNZ4GiQo
――――――
――――
――
―
真夜中だった。
私の枕元で、声が聞こえる。
嗚咽にまみれた、女の子の声。
「ごめんね……」
声の主は言葉も絶え絶えに、しきりに謝っていた。
泣き疲れて体力も何も残っていない私は、当然起きることなどできない。
しかしその声だけは、遠い意識の向こうから聴こえてきていた。
「もうすぐだから……もうすぐ一緒になれるから……っ」
鎖骨のあたりに、温かい重みを感じる。
声の主が、寝ている私の胸の上あたりに顔をうずめている。
私の耳元で静かに、小さく、切なく……言葉は繰り返された。
「大好きだよ……ずっとずっと、大好きなんだよぉ……!!」
私は、眠っている。
62Res/95.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。