過去ログ - 「Close to …side.Y」(オリジナルSS)
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:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:11:17.34 ID:t+SnPtR2o
一橋くんのほうを振り返ると、小さな陰が弾丸のごとく彼にタックルを決めていた。
しかしちゃんと加減が効いていたらしい、一橋くんは少しよろけながらも、しっかりと女の子を抱きとめていた。
「隠れて見えなかったよー!」
以下略
12
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:12:05.76 ID:t+SnPtR2o
「恋人?」
最悪の想定を尋ねてみる。二人は顔を見合わせて、きょとんとした。
「一緒に帰ってたの?」
以下略
13
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:13:46.42 ID:t+SnPtR2o
「そう、さっき、偶然ね」
私はそう言って、くいっと口角を上げてみるが、きっと目までは笑ってないんだろう。
奈那と呼ばれた少女は、それですべて片付いたと言わんばかりに一橋くんを見上げた。
以下略
14
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:17:06.68 ID:t+SnPtR2o
――――
私、待ってるから。
待つから。
以下略
15
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:20:10.45 ID:t+SnPtR2o
――――
爪を噛む癖が、また出てきた。ナナとかいう少女のせいだ。
あれからたびたび、一橋くんの傍をちょこまかしているのを見かける。
妹かなにかと思いたかったけれど、彼女が一橋くんに向けている行為は家族へのそれとは微妙に違うようだった。
16
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:20:50.36 ID:t+SnPtR2o
「一橋くん、ちょっといい?」
放課のチャイムと同時に席を立って、声をかけた。
さっきの授業中に何度も言葉を考えていただけあって、口はごくスムーズに稼働した。
以下略
17
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:22:34.70 ID:t+SnPtR2o
「今日の授業で、一橋くん、詰まってたでしょう。私も、実はあそこ苦手だから……一緒に勉強したらいいかと思って」
「詰まってたところ? ってどこだっけ……」
「もう、ここよ」
以下略
18
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:23:00.87 ID:t+SnPtR2o
「ね、じゃあ、行きましょう?」
私がそう言うと、一橋くんは鞄にノートや教科書を詰め、席を立った。
19
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:23:32.67 ID:t+SnPtR2o
図書室はさほど混んでいなかった。空いている勉強机に二人で並んで座った。
試験前ということもあるし、混んでいたら喫茶店か、なんなら私の家に招待しようかと考えていたのだけれど。
場所は図書室と色気がないし、空いているなりに人もいるけれど、ノートを広げて二人同じ問題を解くのはなんとも言えず甘やかな時間だった。
バカなクラスメイトが、図書室にいなければいいけど。
20
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/19(土) 22:24:07.64 ID:t+SnPtR2o
一橋くんが詰まっていた箇所を丁寧に噛み砕いて説明する。
彼はバツが悪そうに笑って、頭をかいた。
「苦手って言ったけど、箱崎さん、わかりやすく教えられるくらいに理解してるじゃないか」
以下略
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