過去ログ - A Rabbit's Life (オリジナル百合)
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2: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/09/22(火) 14:41:46.14 ID:7xDrI19W0
敵はいつも誰かが連れてきてくれた。
みな、真っすぐに私の元へ向かうので、とてもやりやすかった。
敵はいつも同じぐらいの年代の子どもだった。
彼らは言葉を喋れなくされて、戦闘中はずっと唸っている。
ドナーになれなかった者の末路だ。
そいつらを始末するのが、私たちの仕事だった。

親はいたが、小さい街であった小さい暴力団同士の抗争で亡くなった。同年代の子どもと遊んだ記憶はなかった。
だから、この施設に預けられた当初は大人たちが情けをかけて遊び相手を連れてきてくれたのだと思った。
だけど、残念ながらそうではなかった。
大人が連れてきた子どもは、泥人形のようにもろく潰れやすかった。
少しじゃれあっただけで、彼らはすぐに赤い飛沫をまき散らし果てた。
それを見て、周りの大人たちは喜んでいた。

何度も抵抗し、逃げたが、なぜか気が付くとこの場所に戻って仕事をしていた。
抜け出せないと悟ってからは、行動を起こさなくなった。
けれど、時折楽しそうな笑い声が耳をかすめた。
幻聴だと分かっていたけれど。
分かってからは、あまりそういうものに執着しなくなった。
ただ、憧れは胸の中で燻っていた。

体に衝撃。
土と木の匂い。

「起きろ」

みぞおちに蹴りを入れられた。

「ごほッ」

体を丸めてせき込む。痛みに跳ね起きる。
もう一発、今度は頬にブーツの先が当たった。
数メートル程転がって、膝で立ち上がった。
顔に泥がついていた。

「ほら、ナイフくらいやるよ」

男がナイフを放り投げた。


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