6:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:22:51.60 ID:/JHwdyX00
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7:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:25:43.71 ID:/JHwdyX00
強く、可憐で、時に冷たく、無慈悲に咲く花。
その美点が最も魅力的に、そして恐ろしく感じられるのはただ一点。彼女が、心の底から楽しみながら麻雀を打っている時。
故にこそ、私は咲に、この大舞台で楽しんで打ってもらいたかったし、そうすることで彼女の打つ麻雀を心から楽しみたかった。咲が楽しんでくれれば、チーム順位の方はどうなってもいいとすら思っていた。
8:名無しNIPPER[sage]
2015/09/22(火) 16:27:13.70 ID:cVSWw8FGo
なんか怖い…
9:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:29:17.68 ID:/JHwdyX00
「咲、待ちなさい」
と。控え室を出て、対局室へ歩みかけた咲を呼び止めた。
10:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:30:55.34 ID:/JHwdyX00
「直前で悪いけど、さっき、言い忘れたことが一つだけあったのよ」
「なんですか部長?」
11:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:31:49.91 ID:/JHwdyX00
「こんな大舞台、またいつどこで巡り合えるか分からないんだもの!」
12:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:33:48.20 ID:/JHwdyX00
私の言うことに驚いたのだろうか、その瞳が、少しだけ大きく見開かれる。
自分の言葉と想いが、咲に届いてくれたのかどうかが不安になった。正直、そこから逃げ出したいとすら思えた。
けれど、そういうわけにはいかない。例え無視されるにしても、咲からの反応を確かめないわけにはいかないのだ。
13:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:35:20.59 ID:/JHwdyX00
この時、この瞬間をこのまま鮮明に鮮烈に保てるなら、私はなんだってするだろう。
――しかし、私はいつまでもこの時間に囚われているというわけにはいかなかった。
私は……私たちは、望むと望まぬとに関わらず、その瞬間を目に焼き付けなければいけなかったのだ。
14:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:37:35.17 ID:/JHwdyX00
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15:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:43:10.65 ID:/JHwdyX00
「わた、わたひ、あのとき、何も見えなくなって……!」
「み、みんながっ。あ、あんなに、頑張ってくれた……のにぃ……っ」
16:名無しNIPPER[saga]
2015/09/22(火) 16:45:15.35 ID:/JHwdyX00
「あっ、あそこで、……あそこで、わたぃがっ……!」
普段から気弱で、怯えただけで涙を見せるような子ではあったが。
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