18:名無しNIPPER[saga]
2015/09/24(木) 17:02:07.97 ID:VB0G/KlUo
いやまぁ、精神的には冷静なのだが、
肉体的にはその一瞬の驚愕で心臓は跳ね
額には冷や汗が伝っている。
どうにもこういうびっくり系イベントは苦手だ。
ホラー系は大丈夫なんだけどな。
「深巫、そういう悪戯はやめて欲しいな」
バクバクと音を立てる心臓を宥め賺しつつ、
僕は振り向いた先、教室の中ほどにある柱の影に立っていた
深巫に不平を口にする。
「いやすまない。君がそこまで驚くとは思わなくてな、
ははっ、思えば滑稽な様だったよ。
こんな時間の教室で一人で居る君が身体を飛び跳ねさせる姿は、
まるで女子のリコーダーを手にしようとする小学生のようだ」
悪びれた様子も無しにくすくすと笑って
こちらに歩いてくる深巫に僕は嘆息を吐く。
言うだけ無駄、それはなにも僕の机を椅子扱いすることや
その奇矯な言葉使いなどに限らない。
「で、なんだよそんなところでわざわざ待ち伏せして。
とっとと帰ればよかったんじゃないか?」
「君は本当に酷い奴だ。僕等は友達だろ?」
「まー、そうだけどさ。流石にこんな時間まで待たなくてもよかったんじゃないかな、
僕がそのまま帰ってたらどうするんだよ」
「君が鞄を放置して帰るとは思えない」
「……さっすが」
「任せたまえ」
足の曲線美、お尻の豊かさとは裏腹に控えめな胸を張って、
尊大にふんぞり返る僕の友人に呆れた目を向ける。
僕は心臓がほぼ元通りの心拍に戻ったのを感じつつ
こんどこそ自分の鞄を掴んだ。
「……ん?」
「どうかしたか?」
「いや、お前僕の鞄弄ったか?」
「まさかそんな真似はしないよ、後が怖い」
「……だよなあ」
「なにか違和感でも?」
違和感。というか、雰囲気的な物。
手にした瞬間の重みとか、音とか。
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