過去ログ - 佐藤心「駄目な女と」モバP「駄目な男と」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:04:26.60 ID:7paXrcb70
あまりの事態にどうして良いか分からなくなってしまったその子は泣き出しそうになるのを堪え、男の子はどうしたのか尋ねました。

すると、電話口から可愛らしい声で『申し訳ありません、私が目を離した時に悪乗りでお酒を飲ませてしまいました。今は立って歩く事も、まともに受け答えする事も出来ないので、これから救急車を呼ぼうと思います』と言われました。

その子は血の気が引いていく音を聞いた気がしました。電話口の女の子が誰なのか、そんなことよりも男の子が無事なのかどうか。それだけが気がかりで、どうしようもなくなったその子は、自分が迎えに行くから待っていて欲しいと伝え、新歓コンパの場所を聞き、慌てて男の子の元へ向かいました。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:05:04.29 ID:7paXrcb70
家に連れ帰ってから男の子の服を緩めたり、水を飲ませたり、背中をさすったりと介抱をしました。男の子は落ち着いたのか、その子のベッドで静かに寝息を立て始めました。可愛い寝顔を眺めながら、ふとその子にいたずら心が芽生えます。今ならキスしてもばれないんじゃないかと。しかし、いざ顔を近づけるとあまりの恥ずかしさに結局実行は出来ませんでした。

それ以降も男の子とその子の関係は変わる事はありません。男の子はその子の家に晩ご飯を食べに来て、夜になると家に帰る。高校時代と変わったところは、男の子が22時前には帰っていたのが、日によっては終電まで居るというくらいです。

仕事で嫌な事があっても男の子が居るから頑張れる、そう思って働き始めて四年目の事です。段々と男の子が家に来る頻度が減っていたのです。毎日来ていたのが、平日だけになり、だんだんと週に1回、月に1回と。その子は気になって男の子に尋ねました。どうして来なくなったのかと。すると男の子は顔をそむけながら『就活が忙しくて』とだけ言いました。その子は嘘だと見抜いてはいたのですが、やはり臆病なままなのでただ一言『そっか』としか言えませんでした。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:05:48.77 ID:7paXrcb70
男の子が上京する日をなんとか突き止めたその子は、駅に出向きました。男の子が自分の事を連れて行ってくれる事を信じて。

駅についたその子はいつかの梅雨の日のように鞄を抱えて空を眺めながら男の子を待っていました。二時間ほど待っていると、会いたくて仕方なかった顔が遠くの方に見えました。

男の子と目が合った時、男の子の『なんでここに?』という言葉にその子は挨拶もせずに行こうとする事を非難しました。男の子があれやこれや言い訳をしている中、その子は『私も連れて行って』と言い出すタイミングを見計らっていました。もちろん、男の子の方から『一緒に行こう』と言ってくれるのを待っていたのもありますが。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:06:24.50 ID:7paXrcb70
 男の子が去った日、その子は家に帰ってベッドに倒れこんで泣きながら一晩を過ごしました。どれだけ泣いたか分かりませんが、やっと落ち着いたころにはもう朝日が射していました。泣き腫らした顔のまま折り畳み式の携帯電話を握ると男の子に電話をかけました。せめて、声だけでもと思ったのです。

 ですが、そこから聞こえてきたのは『この番号は現在、使われておりません』という機械の案内音声でした。そんなはずはないと何度も何度も電話をかけたのですが、流れてくるメッセージは同じもの。メールもしてみましたが、宛先不明で帰ってくるばかり。思わず携帯を壊してしまいそうになりましたが、男の子と初めて連絡先を交換した思い出の詰まった携帯を壊すことは出来ませんでした。

 何日かあと、その子は男の子の実家に向かいました。ご両親なら何か知っているはずだと思い少しでも男の子の行方を掴むためでした。ですが、驚いた事にご両親ですら男の子に連絡が取れないとの事。それでも諦めきれないその子は男の子の部屋をご両親と一緒にひっくり返しました。ですが、見つかるものは男の子の過去のものばかり。卒アルや文集、何かのメモ、漫画、ぶりっこ特集とかいうエロ本、アルバム。何一つとして現在の男の子に繋がるものはありませんでした。
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:06:57.80 ID:7paXrcb70
 最後の望みを絶たれてしまったその子は何日も何日も泣きながら過ごしました。起きていても眠っていても考えるのは男の子事ばかり。夢にまで見る始末です。

 散々泣き喚いたある日、その子は決心しました。男の子の現在はわかりません。ですが、居場所はわかります。東京。少なくとも男の子は東京に居ます。なら、あとは自分で見つければいい。そう、決心したのです。

 しかし、そう簡単に見つかるとも思えません。まず、ある程度あたりをつけるために東京の芸能プロダクションに片っ端から電話をかけました。その職場に男の子は居るかと問い続けました。しかし、会社もそう簡単には教えてくれません。それも当然です。部外者に教えてくれるほど甘くはありません。
以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:07:29.99 ID:7paXrcb70
心「そして2年でその子は5年くらいならなんとかなる貯蓄を持って東京へと旅立ったのでした」

心「おしまい。ちゃんちゃん」

早苗、瑞樹、ちひろ「「「えっ?」」」
以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:08:14.24 ID:7paXrcb70
瑞樹「で、でもー、その友達って確かに駄目な女よね!」

早苗「そ、そうそう! そんな駄目男に引っかかって尚且つずるずると引きずってるとかね! 駄目女の典型よね!」

早苗、瑞樹((これくらい煽れば何か反応を示すはず……!))
以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:08:43.34 ID:7paXrcb70
早苗「いえいえ、なんでもないわよ。さってお姉さん今日はたくさん飲んじゃうぞー!」

瑞樹「いいわね! 私も付き合うわよ、早苗! さぁ、店をすっからかんにしてやりましょう!」

心「はぁとは遠慮しとくぞ☆ 明日レッスン初日だし。無理したらレッスンできない。歳が歳なんで☆」
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:09:14.90 ID:7paXrcb70
数年後 神社

早苗「はぁとちゃん綺麗ねー……」

瑞樹「そうね……」
以下略



22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:09:45.70 ID:7paXrcb70
モバP(以下P)「えーと……」

心「なんだよ☆」

P「とっても似合ってます。すごく綺麗です」
以下略



23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:10:13.17 ID:7paXrcb70
心「前も行ったけどぉ、白無垢は相手の家風に染まるって意味があるの♪」

心「だから、はぁとをP色に染めたっていいんだぞ☆ ……いいんだぞ☆」

P「なんか照れますね」
以下略



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