過去ログ - 佐藤心「駄目な女と」モバP「駄目な男と」
1- 20
3:名無しNIPPER
2015/09/25(金) 02:58:17.73 ID:7paXrcb70
ちひろ「えーっとそれは……」

早苗「確かにそうねぇー。まったくP君にも困ったものだわ」

心「……」
以下略



4:名無しNIPPER
2015/09/25(金) 02:58:49.71 ID:7paXrcb70
 これは私の友達の話で、決してはぁとの事じゃないよ。ないぞ☆

 ある日、その友達は運命の出会いをしました。退屈な日々を送っていたその子にとっては運命の出会い。もしかしたら、ただ運が良かっただけなのかもしれないけど。

 元々その子は少し個性的な子でした。どうしても自分を偽って集団の中に居るのが辛くて人と関わる事を避けるように生きていたのです。
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 02:59:35.44 ID:7paXrcb70
 いつものように逃げ出していたある梅雨時の事です。その子は不覚にも傘を忘れてしまいました。

 雨に濡れる程度ならその子は気にしません。ですが、雨に濡れたまま家に帰ると何を言われるか知れたものじゃありません。なので、その子はもう店を閉めてどれほど経つか知れないタバコ屋で雨宿りをする事にしたのです。

 使わないとは言え、教科書が入っている鞄を濡らすわけにはいかないので、その子は鞄を抱きかかえて、いつまでも止みそうにない空を眺めていました。
以下略



6:名無しNIPPER
2015/09/25(金) 03:00:06.19 ID:7paXrcb70
 『何でもない』と言って立ち去ろうとした男の子をその子は逃がしません。ちょうど男の子は傘を持っていたのもありますが、お昼時でお腹が空いていたのもあります。ファミレスまで傘に入れていってもらったのです。

 ファミレスに辿り着いたら、男の子はそそくさと立ち去ろうとしたのですが、せっかく見つけた暇つぶしの対象を逃がすわけにはいきません。無理やり手をつかんで店内に引っ張り込みました。

 その後は昼食を食べつつ、愚痴を男の子にずっと言っていました。男の子は終始『はぁ』と『そうですね』しか言わなかったのですが、その子にしてみれば愚痴を聞いてくれるだけで嬉しかったんだと思います。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:00:41.68 ID:7paXrcb70
 でも、その後も何故か雨の日にタバコ屋で雨宿りしていると男の子が来たんです。その子にも多少は来ないかなってという思いはあったんですが。その子は前の時と同じように『何見てんだよ』と言いました。緩む口元を引き締めて、ちょっと睨みを効かせて。

 そうやってその子と男の子は雨の日だけ会うという不思議な関係が生まれました。雨の昼時にタバコ屋で雨宿りをする。するとまるで迎えに来てくれるかのように男の子が傘を持って現れる。一緒にお昼ご飯を食べてだらだらと話をする。

 しかし、ある晴れの日の事です。その子が最近運動不足で体重を気にしてジョギングをしてた時の事でした。なんとなく、特に深い理由はないですが、駅前を通り、なんとなく男の子が帰る方面に向かって走っていたのです。すると目の前にとぼとぼと歩く見覚えがある背中を見つけました。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:01:15.99 ID:7paXrcb70
 その子も男の子と話が出来るならしたかったのですが、自分の姿があまりにも酷いです。何故かはわかりませんが、そんな姿の自分を男の子に見せたくなかったのです。ですが、男の子の目がいつもと違い、その子には助けを求めているように見えたのです。

 ちょっとした葛藤はありましたが、そんな目をしている男の子を放っては居られないその子は近くの公園で話をする事にしました。内容は男の子の学校へ対する愚痴がメインでした。しかも偶然な事にその子が普段抱いている愚痴とほとんど同じものでした。

 その子はこう思ったのです。ああ、こいつも私と同じで学校がつまらないんだな、と。
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:01:51.15 ID:7paXrcb70
 それからのその子は変わりました。いままで月2回か3回かしか行かなかった学校に毎日行き、補習やレポートで足りない出席日数を補い、男の子が来る事を待ったのです。
 合格発表の日は、男の子から連絡が来る事になっていたのですが、居ても立っても居られずにこっそりと合格発表を見に行ったくらいです。それほどまでにその子は男の子の事を待っていたのです。

 合格発表の掲示板の前で、男の子がガッツポーズをしているところをこっそりと見たその子は嬉しさのあまり涙が出そうになっていました。直後にかかってきた合格報告の電話にそっけなく『あっそ』って答えるのが精いっぱいだったのです。

以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:02:22.16 ID:7paXrcb70
 そんな風に夢が出来たその子は服飾関係の短大への進学を決めました。しかし、それには問題が一つ。短大へはその子の実家から通うことも出来たのですが、地元でもそこそこ有名な進学校に通っていたその子の両親が短大への進学に猛反対したのです。このままではせっかくできたその子の夢が潰れてしまいます。

悩んだ末にその子は一人暮らしを決めたのです。両親の元を離れることで自分の夢を守ろうとしたのです。この事に激怒した両親からは100万円が入った封筒を渡され、二度と帰ってくるなと言われてしまうのですが。

そうして迎えた卒業式の日です。その子と男の子はいつものファミレスでささやかながら卒業祝いとして一緒にご飯を食べていました。その時に男の子から『もう、毎日は会えないんですね。少し寂しいです』と言われたのです。
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:03:07.79 ID:7paXrcb70
短大へ入学した後、男の子は毎日その子の元へ来てくれました。学校が終わってから一緒に買い物へ行き、一緒に夕食を食べ、その日あった出来事を話して、男の子を駅まで見送る。そんな生活でした。

友達に男の子と一緒に居るところを見られた事もあります。しかし、彼氏かと聞かれてもその子には答える事は出来ませんでした。確かにその子は男の子の事が好きでした。ですが、男の子は自分の事を女としては見てはくれていません。多分気の合う友達程度なのでしょう。

どうして自分はこんな鈍感な男を好きになってしまったのだろうか。美味しいと言って自分の作ったご飯を食べる男の子の顔を見ます。もし、また告白してこの関係が壊れてしまったら? やっと手に入れた幸せな一時を手放すことは出来ません。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 03:03:46.86 ID:7paXrcb70
男の子が高校を卒業して、大学へ進学した年です。その子も小さい会社でしたがアパレル系に就職を決め、住む場所も女々しくも男の子の大学の近くへ引っ越したのです。

ある日、男の子がサークルの新歓コンパへ行くと教えてくれたのですが、その子は不安で一杯になりました。もし、新歓コンパで男の子に彼女が出来てしまったらどうしよう、という不安です。諦めると決めていたにも関わらずに。

その子は男の子に新歓コンパが終わったら連絡をするように約束させました。表向きは男の子の心配をしながら、でも本当は自分の不安を取り除くために。
以下略



30Res/24.42 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice