過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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136: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 18:30:20.02 ID:iuS/I4U4o

 牧瀬紅莉栖が大きくため息をついた。中々フラストレーションがたまっているように思える。

「くっ、専門分野じゃないとはいえ、大きなアドバンテージを持っていながらこの状況……株、奥が深いわね……」

 ぶつぶつと独り言。最近多い。

「大丈夫大丈夫、まだあわてるような時間じゃない……」

 彼女はしきりに何かを自分に言い聞かせている。極度の過労状態による幻覚症状でも起こしているんだろうか。

「お疲れだね〜。そんな時にははい! これ」

 言ってバイト先でもらったお弁当を高らかに掲げる。

「ありがと、そこ置いといて。後で食べるから」

 むー。つれないなあ。

「今日はなんと栗だよ〜、栗ご飯だよ〜。1日中部屋に引きこもっててお腹空いたでしょ。美味しいよきっと!」

 そう言って牧瀬紅莉栖の食指を動かそうとしてみる。もう秋だからきっと旬で美味しいはずだ。

「自宅警備なんかしとらんわ!」

「えっ?」

「えっ?」

 予想に反した返答で思わず困惑する。1日中家にいるのは実のところ追手から自宅を守るための警備っていう役割も兼ねてるのかな? いやでも、自分で自宅警備なんてしてないって言ってるし、よく理解できない。
 一方牧瀬紅莉栖はというと、彼女自身も自分の発言に驚きを隠せない様子。再び大きくため息を付いた牧瀬紅莉栖は独り言を言う。

「ああぁ……自分でも悲しくなる。禁断症状かしら」

 再び1人呟く。ぶつぶつと。
 うーん、何を言ってるのかよくわかんないや。
 彼女はいつも毅然とした態度で凛々しい顔つきをしている割にこういうところがある。隙を見せまいと気を張っているつもりなんだろうけど、結構容易く油断する。
 かと思うと、年齢の割に包容力のある温かみも有したりしていた。
 あれはいつの話だっただろうか。この部屋に一緒に暮らしだして数日経ってからの出来事だ。
 あたしは3ヶ月ほど前のことをついこの間の事のように思い出していた。


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