過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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191: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/09(金) 16:41:33.84 ID:EXR5HU4So
 まだ心臓が跳ねている。あの女……。
 すでに俺たちは、最初のアパートを引き払っていた。
 契約していたのは紅莉栖だったし、何より金は有り余っていたからさほど抵抗もなく、ワンランク──いや2つほどランクをあげて部屋を借りた。
 広いリビングに分離したキッチンとダイニング。そして洋室と和室がそれぞれ1つずつ。
 その個室をそれぞれ俺と鈴羽の部屋に充てた。もちろん、若い男女が一緒の部屋に住むことに抵抗が無かったわけではない。しかし、鈴羽は一緒に2010年からタイムトラベルした同志である。ある意味、恋人以上の存在だったのかもしれない。鈴羽の方も、俺と部屋をシェアすることにさほど抵抗はなかったようだ。部屋をそれぞれ借りるより、広くて個室の数がある物件を1件借りたほうがお手軽だという結論にいたり、結局この状況に落ち着いた。
 俺が心臓を落ちつかせていると、鈴羽が濡れた衣服を脱いでいる布の音が俺の耳に入った。すぐにバスルームの扉が開閉され、シャワーの滴る音が聞こえてくる。その音が再び俺の心臓の鼓動を早くする。
 俺は頭をブンブンと振って邪な想像を振り払った。大分慣れてきたとはいえ、やはり意識はしてしまう。

「い、いつまで女に現を抜かしている鳳凰院凶真っ! れ、冷静になれっ!」

 そう自分に言い聞かせて強引に心を落ち着かせた。
 その後俺は濡れた衣服から着替え、暗いリビングのソファに座りぼうっとしていた。
 カーテンを開ければかろうじて灰色の空が部屋を照らし、物の陰影をくっきりとさせていた。
 突如電話のベルが鳴り響く。
 大学からだろうか?
 立ち上がり、受話器を取り耳に当てる。


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