過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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237: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 19:17:42.82 ID:0whGTSNro
 変なこと──それはタイムトラベルについて。だ
 いくら記憶を失っているからといって、患者からタイムトラベルした、などというワードが出てきたら不思議に思わざるを得ないだろう。
 それがもし、万が一SERNにでも伝われば──
 俺たちの計画は台無しになる。それを懸念してのことだ。
 催眠状態に陥ったとしても意識が無くなるわけではないから話すべき内容は自分の意思で選択できる、と紅莉栖は言っていたが、それでも不安は隠し切れないでいた。
 そして治療が始まった。
 ミギーと呼ばれる精神科医が英語で紅莉栖に対して喋りかける。それを受けて紅莉栖が俺に対して指示を与える。まずはカウンセリングが行われた。
 ヘタなことは言えないため、考えこむ部分が多かったが、記憶を失っているということでさほど不思議には思われなかったようだ。
 やがて、カウンセリングが終わった後、いよいよ催眠療法に移る、と紅莉栖から伝えられる。
 いきなりか、とも思ったが、事前に紅莉栖がある程度症状について彼に話しておいたようだ。俺の場合、恐らく強いトラウマが辛い記憶を封じ込めている。そう判断したのだろう。催眠状態にかかった俺から潜在意識に沈んだ記憶の残滓を引っ張りだすつもりらしい。
 紅莉栖は真摯な眼差しでこちらを見据え、そして言った。

「きっとあんたにとってこの数時間はとてもつらい時間になると思う。でも、あんたならきっと、乗り越えてくれると信じてるから」

「任せておけ、この俺を誰だと思っている」

 いつもの口調で強がって見せたが、内心は暗澹たる思いが心の中を占めていた。
 ミギーが英語で話すまでもなく、紅莉栖が日本語で催眠誘導を行う。紅莉栖はてっきり翻訳に徹すると思っていただけに意外だった。

「おい、まさかお前の10年の研究というのは俺の記憶を呼び起こすための催眠術ではあるまいな……?」

「んなわけあるか。以前セミナーを受けたのよ」

 説明書を読んだのよ、的な感じか。いやちょっと違う気がする。


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