過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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255: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 19:48:42.96 ID:0whGTSNro
「断片なのよ。鈴羽が観測したものは」

 え?

「確かに私やあんたの未来は観測された。でもそれが私の人生のすべてじゃない。鈴羽は私が死ぬまで絶え間なく観察し続けた訳じゃない。そうだろ?」
以下略



256: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 19:50:37.32 ID:0whGTSNro
「お前な……」

「ともかく、もう一度よく考えてみて」

「何を今更、考えるというのだ……。答えはもう……」 
以下略



257: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 19:54:21.81 ID:0whGTSNro

 息苦しい研究室を出て、大学構内のベンチにて一息つく。
 あのままあそこにいては、いつまた誰かが訪ねてくるのではないか、と不安になり外に出ざるを得なかった。
 今はただ、1人になりたかった。
 考えれば考えるほど出口が無い迷宮に迷い込んだような、そんな感覚に陥る。
以下略



258: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 19:55:25.00 ID:0whGTSNro
ちょっと一旦休憩
お米がなくてご飯が炊けないことに気づいた
失敗した


259: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 20:08:11.46 ID:0whGTSNro

『お星様に届かないかなー』

 浮かんだのは脳天気な、幼なじみの言葉。笑顔。それらを守りたくて、今この場所にいるのに──
 その気持ちも今、ぐらぐらと揺れている。
以下略



260: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 20:09:39.14 ID:0whGTSNro
「どっちを選ぶか、で迷ってるのかな?」

 あながち間違いではないが、少し勘違いをしているようだ。
 鋭いような、鋭くないような。
 こういう観察眼は、後の子孫にも引き継がれているのだろうか。まゆりも、変なところで勘がいい所があったからな。
以下略



261: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 20:10:46.74 ID:0whGTSNro
「そっかぁ」

 消えるような声で呻く俺に同情するでもなく、叱咤するわけでもなく、ただ頭にポン、と手をおいて。

「みんなみんな、岡部くんに愛されているんだねえ」
以下略



262: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 20:12:07.88 ID:0whGTSNro
「君がみんなの幸せを願っているように、君の幸せを願う人だっているんだから。そんな人達のためにも、君は自分の幸せを、実現させなくちゃ〜」

「…………」

 俺が沈黙していると、やがて椎名さんは真っ直ぐ空を見上げて言った。
以下略



263: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 20:13:38.02 ID:0whGTSNro

 約2週間ぶりに自宅の玄関をくぐる。ドアを閉めると薄暗さと静寂に包まれた。
 まるで数年人が住んでない家屋のように感じた。
 鈴羽は、外出しているのだろうか?
 俺はリビングに顔を出し、辺りを見回してみる。
以下略



264: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 20:14:12.22 ID:0whGTSNro
「まだきついのか? 体……」

「あーううん、もう大分平気。多分もう少ししたらこんなこともなくなると思うよ、心配いらないよ」

 つわり……だろうか?
以下略



265: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/11(日) 20:15:56.13 ID:0whGTSNro



 この半年間、俺はできる限り鈴羽のそばにいた。そうしたいと思ったから。未来のことは考えずにただひたすら愛しい人のそばに居続けた。
 そして今、俺は茶色の長椅子の真ん中に腰掛けながら、膝の上に肘を乗せ、組んだ手を顔に当てていた。
以下略



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