過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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◆gzM5cp9IaQ
[saga]
2015/09/27(日) 16:27:10.13 ID:jH77HIQD0
「な、おい……鈴羽?」
「それに、君のことだけは絶対に……絶対に忘れたくないから……」
”君のことだけは”──その言葉が俺の心臓が跳ね上げた。
「…………」
鈴羽の想いが俺の心臓を震わせた。俺の心と微細な振動が共鳴するように鈴羽の身体が揺らめく。彼女が懸命に感情を抑えようとしているのが分かった。
不意に俺の口から息が漏れた。
阿万音鈴羽という1人の女の想いが、俺の心に入り込んでくることで俺の心臓は激しく脈打つ。だがどこか冷静に見ている俺がそこにいた。
俺はどう応えてやればいい? どんな言葉をかけてやればいい?
幾千ものループで心が壊れかけた俺にその答えは見つけられなかった。何度も言葉が喉から出かけては、消えていく。心が上手く反応しない。昨日、丸1日を費やして泥のように眠り快復に努めたが、まだ心と身体のリンクが万全ではない。
どうしていいか分からずに戸惑っていると、突然鈴羽が顔を上げてニヤッと笑った。さらに、すかさず俺の元からパッと離れる。
「なーんてね、うっそー!」
後ろ手を組みながらいたずらっぽく笑う鈴羽。
「あっはは、騙された? いいねー、今の反応。挙動不審って言うのかな? 岡部倫太郎ってば恋愛経験値少ない?」
「……お前な」
俺がため息混じりに言うと、鈴羽は頭をかきながら呟いた。
「ごめんごめん。こうでもしないとビビっちゃいそうで、さ」
鈴羽はすぐに口を結び、表情を引き締める。
そこには自分の弱さをさらけ出しながらも、前を見据え使命を果さんとする意志を持った戦士の顔があった。
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