過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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◆gzM5cp9IaQ
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2015/10/01(木) 16:23:41.86 ID:g0/EBSOFo
あれから紅莉栖は人工衛星の解体を始めていた。あの後、屋上へ行って急いで解体を行うと言ったのだ。紅莉栖は俺が再び頭を抱えるのを見ると、解体は1人で行うと言い、今まさに作業に徹していた。
俺はラジ館屋上の手すりから街を見下ろしていた。降りしきる雨はすでに小振りと化しており、優しい雨が俺の手を叩いている。
先ほど新聞の1975年という記載を見てからというもの、頭痛が再発していた。
1975年? どういうことだ?
俺は確か、タイムリープマシン開発に成功した名目で開発評議会を行っていたはず……。
以下略
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◆gzM5cp9IaQ
[saga]
2015/10/01(木) 16:25:07.12 ID:g0/EBSOFo
俺には1つ予感めいた考えがあった。ここがもし本当に1975年ならば、俺たちは物理的タイムトラベルをしたことになる。それも、少なくとも3人以上の人間が同時に、だ。
とするとなると──
「それとも解体手伝う気になった?」
以下略
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◆gzM5cp9IaQ
[saga]
2015/10/01(木) 16:31:08.87 ID:g0/EBSOFo
「なんかおかしいと思ってたけど、まさかあんた……覚えてないの?」
訝しげな表情をしながら紅莉栖は問いかけてくる。少なくともふざけている様子は見受けられない。
そんな紅莉栖の様子に、俺は尋ねられずにはいられなかった。
以下略
67
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◆gzM5cp9IaQ
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2015/10/01(木) 16:32:47.95 ID:g0/EBSOFo
夜が明けてからというもの、俺たちはせわしなく秋葉の街を動き回った。未だ混乱を隠せない俺は、考えを巡らせるのに必死だった。紅莉栖に関しても疲労がたまっていたのか、終始無言状態。
日が昇ってから俺たちがしたことは、解体によって手にした廃材を売りさばくことだった。
どうやら事前に、こういった希少金属が高く売れるということを鈴羽から聞いていたようだ。おかげで大した苦労もなく、ある程度まとまった金を手に入れることができた。
金は2010年においてきたということだったから、ありがたい話だった。当然この時代で使うことはできないが。
次に俺たちが成したことは非合法で活動する犯罪組織の連中と接触を図ることだった。
以下略
68
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◆gzM5cp9IaQ
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2015/10/01(木) 16:34:07.89 ID:g0/EBSOFo
難なく犯罪組織と接触できたことは幸運だった。その反面、交渉は難航した。
それも当然の話だ。犯罪を糧にして生きていく人間からすれば俺たちは幼すぎた。
キドと名乗る眼鏡をかけた神経質そうな男が対応をしたのだが、最初は話すらまともに聞き入れてくれずにあしらわれた。
ところが紅莉栖が交渉の材料に、と金を見せつけると途端に奴は一瞬表情変える。それでも奴は難色を示した。金は手に入れたかったはずだが俺たちと取引するのは奴のプライドが許さなかったのかもしれない。
奴はふっかけてきた。ありえない額を突きつければ、諦めるだろう、と思ったのだろう。
以下略
69
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◆gzM5cp9IaQ
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2015/10/01(木) 16:36:57.03 ID:g0/EBSOFo
膠着状態がしばらく続き、ついには戸籍の売買人も折れたようだった。最初に提示させられた金額よりもはるかに良心的な価格で交渉してくれたのだった。おかげで俺たちは戸籍を手に入れることができた。
このような場所で取引される戸籍を持っていた人間になりすますのはやはり気が引けたものだったが、紅莉栖がやっとの思いで手にしたと思うと、受け入れざるを得なかった。
交渉の結果、とある日本の成人男性の戸籍を買った。一方紅莉栖は散々迷ったあげく、外国人女性の戸籍を選んだ。
理由は、紅莉栖の年代に合致する女の戸籍の数の少なさ。
それもそのはず、紅莉栖はまだ18歳。本来であれば高校生である。その年代の女がほいほいと戸籍を売りさばくほど日本もまだ荒みきってはいないということだろう。
以下略
70
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◆gzM5cp9IaQ
[saga]
2015/10/01(木) 16:39:47.62 ID:g0/EBSOFo
そんな俺をよそに紅莉栖は前に進み続ける。再びラジ館へと赴き、枯渇した資金を得るために再び廃材を解体するのだと言った。
ラジ館へと向かっていると、黄色いテープで封鎖されているラジ館の入り口と周りを囲むようにして配置されるパトカーが目に飛び込んできた。
「こ、コレは一体……」
以下略
71
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◆gzM5cp9IaQ
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2015/10/01(木) 16:40:42.25 ID:g0/EBSOFo
「昨日、阿万音さんを救急搬送するために呼んだでしょ、救急車」
「あ、ああ……」
「それで、どうも周囲の調査ってことでラジ館の屋上も調べられたらしいわ、で──」
以下略
72
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◆gzM5cp9IaQ
[saga]
2015/10/01(木) 16:42:50.41 ID:g0/EBSOFo
俺は鈴羽を探すため、搬送されたであろう秋葉周辺の病院を訪れていた。病院の玄関をくぐったところで1人考える。
一体どうやって探りを入れようか……。
紅莉栖からは鈴羽との関わりがあることを悟られないように探せ、と釘を刺されていたし、もちろん”昨日ラジ館前で倒れていた女の知り合いだ”などといっておおっぴらに関係性をアピールすることがまずいということは分かっていた。故にどのような方法で接触するか、考えあぐねていた。
必死に考えた結果、俺が取った行動は、ひとまず頭痛がするということで検査してもらうことだった。その後、迷ったふりをして病棟をうろついてみる。我ながら機転の利いたいい方法だ、そう思った。
しかしそれは徒労に終わることになる。
以下略
73
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◆gzM5cp9IaQ
[saga]
2015/10/01(木) 16:45:12.78 ID:g0/EBSOFo
「ふむん……。すでに事故の重要参考人として考えられてる可能性もなくはないわね」
「だがそうなると、接触も難しくなるな……」
「あの状態から察するに病院で治療を受け続けている可能性は高いんだろうけど……」
以下略
74
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◆gzM5cp9IaQ
[saga]
2015/10/01(木) 16:46:12.88 ID:g0/EBSOFo
「あ、お腹空いてると思って買っておいた」
紅莉栖はそう言って、横にちょこんと置かれている紙袋から2つの箱を出し、その1つを俺に差し出してきた。
「なんだこれは」
以下略
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