過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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93:名無しNIPPER[sage]
2015/10/04(日) 13:06:44.11 ID:0yBJszvDo
>>92
小説「六分儀のイディオム」やで
1975年に跳んだ鈴羽がニンベン師について説明してる


94: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 13:20:30.08 ID:iuS/I4U4o
Chapter2



 薄汚れた窓の向こうに、見慣れない風景があった。これでもかという風に敷き詰められた建物の高さには統一性が無く──乱雑──という印象を受ける。その中でも飛び抜けて高く大きい建造物は、白い壁に煤を塗られたような汚れが目立ち、正直汚かった。
以下略



95: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 13:22:02.26 ID:iuS/I4U4o
 改めてここがどこなのか、考えなおす。
 今扉を開けた人の格好からして、ここが病院なのは間違いない。ならなぜ自分は病院にいる? ベッドに寝てたってことは体の具合が悪いんだろうが、これと言って痛みはない、違和感があるわけでもない。
 しばらく自分の手足を眺めたり、上体を捻ったりしていると、白衣を来た男と、先ほどの看護師が少し慌てた様子で部屋に入ってきた。

「やあ、おはよう。気分はどうですか?」
以下略



96: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 13:25:54.88 ID:iuS/I4U4o

「アマネ、スズハさん、ですね」

 医者は阿万音鈴羽という名前であたしを認識したようだったが、あたしは正直戸惑っていた。記憶では正しいと感じているのに、名乗ったことに対して妙に気懸かりを感じていた。

以下略



97: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 13:28:35.53 ID:iuS/I4U4o



 意識が揺らめいていた。辺りは真っ暗だ。
 あたしは見慣れない狭い道を走っている。前方から暗い道を照らす一筋の光が差し、その向こうに大きな人影が見えた。あたしはその背中を向かって地面を蹴り続ける。
以下略



98: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 13:29:28.42 ID:iuS/I4U4o
「あ……岡部倫太郎……あたし……あたし……」

 その影はわずかに口元をほころばせると──
 あたしの前からゆっくりと雲散していった。

以下略



99: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 13:31:19.77 ID:iuS/I4U4o
 
 そこで目が覚めた。汗が体中を濡らしていて、冷たくにじむ入院着の感触が気持ち悪い。体中が寒くて震えが止まらない。あたしは今まで見ていた夢の内容を思い返すが、どうしてもはっきりとは思い出すことができない。
 なんかこう、居心地の悪さと居心地の良さが入り混じったような夢というのは記憶があるのに、あたしの頭は思い出すことを拒絶してるかのように頑として封印したままだ。
 もどかしい。
 頭の中を羽虫が素早く飛び回っていて、捕まえようとすればするほど見失うような感覚。
以下略



100: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 13:33:39.32 ID:iuS/I4U4o



 連日、叩きつけるような雨がざああと降り注いでいる。まとわりつくような湿気と暑さ、雨の頻度。それはあたしに梅雨の季節を実感させた。
 あたしが目を覚ましてからすでに1週間が経過している。
以下略



101: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 13:35:25.66 ID:iuS/I4U4o



 目の前に横たわったシャケの切り身を器用に箸で身をかき分け、つまみ、口に入れる。すると、すぐに適度に効いた塩味が口の中に広がった。意図せず、耳の下が持ち上がるような感覚。その快感に身を捩らせながら、続けて白いご飯を一気にかきこみ、幸せな味を頬張りながら胃の中を満たしてく。

以下略



102: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/04(日) 13:36:47.58 ID:iuS/I4U4o

「いくつなの?」

「え? ええと、33くらいよ」

以下略



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