過去ログ - 女勇者「勇者よりも、お姫様になりたかった」
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15: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:36:54.66 ID:Kfzyy5RB0
姫『私も、貴方を愛しています……王子様』


勇者(お姫様……)

可愛らしい姫君だった。小柄で、大人しく、守ってあげたくなるような女性だ。

勇者(私とは、何もかもが正反対……)

幼い頃から修行に明け暮れ、立派に成長した体。
常に力強い存在であれと、すっかり様になった男装。
豆だらけの手。生傷の絶えない体。

勇者(私は、勇者だから……)

見上げると、先祖の剣が目に入った。
人々の為に立ち上がり、戦い、魔王を討ち取った勇敢な先祖は、誇りだった。だが――

勇者(可愛くしていたい。ピンク色の服を着て、髪を綺麗に結って、アクセサリーで装飾して、毎日お風呂に入って香水をつけて……)

勇者(……一人の男性を愛して、愛されたい――)

勇者(私は――)

自然と足が進み、剣に距離が近づいていく。
一族の誇りである剣――だが今は、それが『呪縛』のようなものに見えて――

勇者(勇者よりも、お姫様になりたかった……っ!!)

その想いをぶちまけるように、勇者は壁を殴った。



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