過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
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954: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/02/16(火) 23:01:41.69 ID:Lo0qQGmU0
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 敵の装備は統一されたものではない。暗夜の鎧、白夜の甲冑、どれにも属さないゴロツキたちの姿も見てとれ、それはまさにカムイ達と同じ連合軍と言える様相だった。
 しかし、そこに人間的な動きは何もない。死を恐れない相討ちを想定した行動の元、動き続ける透魔兵の攻撃は強烈無比という言葉が似合っている。対人ならば意味を持つフェイントや脅しが全く通用しない。抑えていては一人倒せばまた一人という感覚で現れる増援に対処できなくなる。
 死を受け入れるのではなく、死がそもそも存在しない兵たちである以上、この戦いの終結はギュンターを倒す以外にない。ないと言うのに、カムイ達は最初の場所からさほど動けないでいた。

「ジョーカーさん、ギュンターさんまでの道、確保できそうですか?」

 受け止め敵を薙ぎ払いつつ、カムイは問いかける。帰ってきた返答は難しいであった。
 ギュンターとの距離はそれほど離れていない、距離にして三十メートルかそこらである。しかし、そのギュンターの眼前には未だに彼の呼ぶ増援と、他とは違い特殊な命令を受けているであろう動かぬジェネラルが沈黙を守っている。そしてやっとその先にギュンターがいるのだ。

「クソジジイが、距離を置いて傍観とか腰ぬけにもほどがあるな」

 悪態を吐きながら敵の処理を続ける。ギュンターはその声を聞いたのか、楽しそうな面持ちで彼らの方向をゆったり監視するばかりだった。来れるものなら来てみるがいい、もっとも辿りつけるとは思えないが、そんな余裕と挑発の混じった表情は、まるで宴を楽しむようにすら思える。
 防戦一方となりつつあるカムイ達、しかし留まっていることでわかり始めたこともある。それは増援の出現する大まかな方角で、それらのほとんどは城門の方角から現れていると言うことで、上層階へと続く階段付近から現れている者たちは、ギュンターが召喚しているらしい。その量は決して多くはないし、詠唱することが出来ない状況にすることができれば、増援を断ち切ることができる。


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