過去ログ - 男「私の価値はこれだけだ」エルフ「あなたを一生許さない」
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/10/09(金) 21:18:01.61 ID:WFUQ5gUN0


 目を覚ますと、自国でも見た事がないほど広く美しい草原に囲まれていた。


男「……一体どういうことだ?」


 私は記憶を呼び覚まそうと剃ったばかりの頭を撫でる。

 しかし、風呂場で倒れてからの記憶がない。


男「まさか!? 誘拐されたのか!?」


 あり得ない話ではない。

 私は数々の業を作り、広げ、利益を得た。

 街中の小さな火種が私一人を飲みこんだとしても、神の呪ったりはしないだろう。


男「と、とにかく電話をしなくては……」


 ポケットをまさぐる。

 が、ズボンには何も入っていない。胸ポケットにも。


男「私をこんな所に連れてきてどうしようと言うのだ!」


 声を上げるも、反応はない。

 それでも、何かに縋るように私は叫び続ける。


男「製法を知っているのは私だけだぞ! どこの誰か知らんが、こんな事をして良いと思っているのか!」


 叫べば叫ぶほど、科学者としての私が冷たい心で嘲笑する。


 ――分かるだろ。自分の状態くらい――と。


男「違う……癌はまだ私を殺してなど……」


 瞬間、少し離れた場所でガサリと音がする。


エルフ「………」

男「………」


 ツンと尖った耳、深海のように奥底の見えない黒い瞳。肌色よりもベージュに近い肌。

 間違いない。彼女はエルフだ。

 私は確信する。



 ――とうとう自分でメスをやってしまったのだ、と。



※とある海外ドラマをイメージしております。

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