過去ログ - 男「私の価値はこれだけだ」エルフ「あなたを一生許さない」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/10/09(金) 21:31:37.70 ID:WFUQ5gUN0
エルフ「子供がいるのか?」
彼女の殺気だった目が、少しばかり和らいだ。
はち切れそうなほど張りつめていた弓が緩む。
男「あ、ああ、本来なら子供をダシにするのは心苦しいが、私はそれでも生きなければならない」
エルフ「子供の為に?」
男「子供と、妻の為に」
彼女はジッと私を見つめた。
嘘を吐いていないか見抜こうとしているのだろうか。
だったら都合が良い。私は嘘など一つもついていない。
いつだって私は家族の為に生き、そして死ぬのだから。
エルフ「……分かった。とりあえずは信じよう」
スッと、彼女は弓を背中にしまった。
そして立ち去ろうと振り返る。
マズイ。このまま去られては非常にマズイ。
男「あ、あのっ」
エルフ「……命を見逃されただけでは不服か?」
男「……実は…」
私は内心を打ち明けた。
この世界に何の知識もなく、さらに癌である事を。
エルフ「………」
彼女はしばらく悩んだ後、小さな溜息を吐きながら、
エルフ「ついてこい」
と言った。
この時の私は、エルフも溜息つくのだなぁと陽気な事を考えていた。
人の形をしている者同士、“通じあう何か”があると勘違いしていたのだ。
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